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カワイコンサート NO.2186
福間洸太朗 ピアノリサイタル 開催レポート
2012年10月21日(日) 14:00 開演
会場:兵庫県立芸術文化センター小ホール(神戸女学院ホール)(兵庫県)

 秋晴れの涼やかな風が感じられた10月21日、神戸女学院ホールにて、ベルリンに在住され世界的に活躍されている注目のピアニスト、福間洸太郎さんのピアノリサイタルが開催されました。プログラムはロマン派・近代の作曲家による、水に関連のある作品で構成されており、福間さんが奏でた1音1音がホールの隅々まで美しく響き、繊細であり壮大、華麗な演奏に魅了されました。

 チケットは開催20日前には完売しており、舞台を客席が取り囲むアリーナ形式の神戸女学院ホールは満員のお客様の期待でいっぱいになりました。コンサート・グランドピアノ「Shigeru Kawai」が一筋のブルーライトで照らされる中、ビゼーの『ラインの歌』より「暁」の心地良い歌から演奏が始まりました。続いて「出発」の演奏後、福間さんがマイクを手に取り、プログラムのコンセプト、選曲の動機をお話しされました。一気に親しみもわき、和やかな雰囲気の中、アルベニスの難曲「アルメニア」を圧倒的な集中力で弾き切り、リスト「エステ荘の噴水」ではこれ以上無い軽やかさ、繊細さから壮麗な流れで吹き上げる噴水を表現、そして心の内面を映すような和音の音色に技巧的な中にも深い内面性を感じました。

 続いて、生誕150 年ドビュッシーの「月の光」はくっきりと浮かぶメロディと周りの柔らかくほのかな光が美しく調和して響き、人気があり良く知られた楽曲の演奏に拍手もひときわ大きく感じました。光の揺らめき、雫や広がる波紋、さざめきと共に揺れる水面に映る風景を表わす「水の反映」では磨き抜かれた様々な音色が心に深い印象を残し、「喜びの島」のダイナミックな演奏で前半がしめくくられました。

 後半は、福間さんが水の流れ、輝きを感じさせる瞬間が沢山あるとお話しされたショパン「舟歌」嬰ヘ長調 作品60、「ソナタ第3番」ロ短調 作品58が演奏されました。慈しむように奏でるメロディと勇猛さを兼ね備えた演奏で、溢れるエネルギーと誠実さの中にも貫禄が感じられました。アンコールで演奏されたドビュッシーのアラベスク第1番、リストのラ・カンパネラ、プーランクのノヴェレッテ第1番にお客様は満足して幸せそうな表情でした。終演後、多くのお客様がCDを購入され、福間さんは長らくサインの列に応えられました。また是非、関西で演奏を聴きたいです。華麗で力感あふれる音楽、深く豊かな響きに浸り、幸せを感じられた1日となりました。

カワイ音楽教室 難波事務所 鷺ノ森典子

 

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