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カワイコンサート NO.2183
野原みどり ピアノリサイタル 開催レポート
2012年10月12日(金) 19:00 開演
会場:京都コンサートホール 小ホール(アンサンブルホールムラタ)(京都府)

 

 秋も深まってきた10月、京都コンサートホール、アンサンブルホールムラタにて野原みどりさんのピアノリサイタルがありました。野原みどりさんはパリをはじめヨーロッパ各地、日本国内と広く演奏活動をされていて、3年前からは京都の大学で後進の指導もなさっています。

 今回のプログラムは生誕150周年を迎えたドビュッシーを中心とし、ラヴェル、フォーレ、ショパン、リストの作品とどれも魅力的な曲ばかりです。開場前から入口に長い列ができみなさんとても楽しみにしている様子でした。

 前半はドビュッシーの“アラベスク”2曲で始まりました。シックなドレスで登場された野原みどりさんのしなやかな腕からスッと美しい紋様が浮かぶような音が届けられました。続いてラヴェルの“水の戯れ”、フォーレの“ノクターン”。キラキラと光るような音や、心地良いハーモニーなどが湧き出てきます。そしてリストの“スペイン狂詩曲”。見ていても聴いていてもすばらしいテクニックと華やかでダイナミックな演奏に拍手がなかなか止まず、休憩中もその興奮は冷めることがありませんでした。

 後半はショパンの作品から“バラード第3番”、“幻想ポロネーズ”。同じ変イ長調ですが、多彩な響きがピアノから紡ぎ出されていきます。そして再びドビュッシー。色彩豊かな世界は尽きることなく一層輝きを増しながら全てのプログラムは終わりました。

 これだけ多くの名曲を聴かせていただいたおよそ2時間のリサイタルはあっという間に終わってしまい、まだ心地良い音楽の中に浸っていたい雰囲気の中、ドビュッシーの“月の光”、ショパンの“ワルツ第9番変イ長調Op-Post69-1”を演奏して下さいました。名残惜しくもうっとりした気持ちに満ちた空気の中長い長い拍手が贈られました。

 演奏後はサイン会が開かれ、1人ずつ丁寧にお話しされたり、写真撮影をされたりと演奏会の余韻が続いていました。

吉田 泰子 (京都)

 

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