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カワイコンサート NO.2182
福間洸太朗 ピアノリサイタル 開催レポート
2012年9月26日(水) 18:30 開演
会場:大宮ソニックシティ小ホール(埼玉県)

  

数日前には完売となったコンサート当日は、前日までの曇天とはうって変わって秋晴れに。清々しい天気の中の開催となりました。

開場1時間前の16時30分には最初のお客様が遠慮がちに並び始め、時間とともに2階ロビーから階下の1階部分にまで列が延びる程の注目されたコンサートとなりました。

開場時間になると、ロビーのお客様の熱気も高まりましたが、混乱することもなく整然と席に着かれる品の良さも感じました。

1ベルが鳴ると会場がピンと張り詰めた空気に変わり、静かなとても心地良い緊張感が漂いました。

本ベル - ステージがまぶしい光に包まれるとソリストの登場、コンサートの開始です。

ビゼー作曲ラインの歌より「暁」は、コンサート会場全体がやわらかく包み込まれる様な音色で始まり、先程までの張り詰めた空気を和ませました。同じく「出発」は、やわらかい音色は変わらないまでも、躍動感あふれる清々しさを感じました。

アルベニスに入る前に福間さんのトークがあり、百戦錬磨の趣きさえ感じる演奏と違い、年相応のトークに不思議な感じがしました。

「アルメニア」は、とても神秘的で謎めいた雰囲気の音色で始まりました。しかし曲の雰囲気が変わるたび、演奏者の身体の動き、演奏者を取り巻く空気が音楽と一体となって変化するのが感じられました。その変化が聴き手を飽きさせずとても心地良かったです。

次のリストではまぶしい舞台上のライトが一転暗くなり、演奏者にスポットがあたる演出。リスト特有の細かいパッセージが美しく響き、全ての音が休むことなく役割をこなしてバランスの良いハーモニーを奏でていました。

前半を締めくくるドビュッシーは、ベルガマスク組曲より「月の光」、映像 第1集より「水の反映」、そして「喜びの島」。演奏の機会も多い定番の曲ですが、初めて聴いたかのようなとても新鮮な心地がしました。それぞれの主題を主人公にして、様々な表情を見せながら奏でられたのは勿論ですが、「月の光」から「水の反映」へ、「水の反映」から「喜びの島」へと命や歓喜が受け継がれており、まるで3つの世界がリンクする1本の映像を見せられている様な印象でした。

休憩時間には、前半の演奏の凄さを物語っているかのように、CD販売コーナーに2重3重の輪が出来ていました。

後半はオールショパンでのプログラム。

先ず「舟歌」が演奏されました。前半のドビュッシーの世界と、やわらかな心地良い音色は同じですが、響いている音は明らかにショパンならではの響きで、舟歌の6/8拍子がゆったりと流れる美しさにはとても驚きました。

2曲目はソナタ第3番。演奏者のみを照らすスポットライトのもと演奏され、1楽章が終わると拍手が沸き起こるちょっとしたハプニングもご愛嬌。とても荒々しい最終楽章とともに会場内はとても興奮した空気に包まれ、最後の和音が響き渡ると興奮冷めやらぬ拍手の中、全てのプログラムが終了しました。

2度のカーテンコールの後、アンコールのドビュッシー「アラベスク第1番」が演奏されました。やはりドビュッシーの曲ならではの、ドビュッシーにふさわしい響きに再び驚愕。

2曲目にはチャールズ・グリフィスの「アクアパウラの泉」が演奏されました。

今回のカワイコンサートの一番のポイントは、心地良くやわらかな音色は同じでも、たった1音で作曲家それぞれのイメージを呼び起こす世界が広がっていったことです。

演奏会後のサイン会も盛況であったことは言うまでも無いことです。

文責 カワイ音楽教室 埼玉事務所 地域指導講師 表 聡彦

 

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