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カワイコンサート NO.2181
渡辺健二 ピアノリサイタル 開催レポート
2012年9月22日(土) 14:00 開演
会場:三井住友海上しらかわホール(愛知県)

 

 9月22日(土)愛知県は名古屋市「しらかわホール」にて渡辺健二さんを迎えカワイコンサートが行われました。今年は名古屋出身の渡辺健二さん。しかも造詣深いリストやバルトーク、コンサートへの期待は大きく膨らみました。

 前半はバルトークとドビュッシー。まず今回のコンサートの事やこれから演奏する曲・作曲者についての解説から始まりました。曲や作曲家についてのエピソードを演奏者本人から伝えることによって、これから始まる演奏への興味は一層深まり、渡辺健二さんの人柄の良さも感じとれました。最初のお話で会場は和やかな雰囲気となり、自然と演奏へ集中していくことができました。バルトークでは落ち着いたテンポと重厚な響き、民謡旋律の歌わせ方やリズムの取り方に泥臭いハンガリーの土の匂いを感じ取りました。後半のリズミカルな部分では、和やかに会場が熱気に変わってくことを感じました。

 ドビュッシーは随所に見られた音色の使い分けが見事。曲のイメージに合った音色作り、ペダリングや左手と右手の音色の使い分け、経験豊富なピアニストの技術的なテクニックのみならず音色を使い分けるテクニックに感嘆しました。

 後半のプログラムはリスト「巡礼の年」。リストに造詣が深いこともあり期待が膨らむ演奏。重厚で落ち着いた音楽運び、バランスのとれた音色作りと響き。1曲1曲に魂をこめた渾身の演奏は聴衆の心を引きつけ息を呑んで聴き入っていました。演奏の風格、音楽表現の深さを感じるとともに、リストの世界・渡辺健二さんの世界が会場に広がり、ピアノ音楽の素晴らしさ、ピアノの可能性を改めて感じました。

 アンコールはドビュッシー「月の光」・リスト「愛の夢」・バルトーク「3つのチーク県の民謡」。リストの大曲の後「月の光」で緊張した空気を開放させ、「愛の夢」はいつもと異なる歌曲バージョンの終わり方。バルトークでは再び軽快なリズムで聴衆を最後まで魅了したアンコールでした。最後の挨拶でも、本日使用したピアノ(KAWAI SK-EX-L)の素晴らしさ、調律師の役割の重要性についてもお話いただきました。

 終演後は地元であることもあり多くの方が楽屋へ起こしになり、懐かしい話に花が咲いていたようです。演奏の魅力に加えその人柄ゆえ人気があることを大いに感じました。9月とは言えまだ暑い太陽が照りつけてはいましたが、時折吹く風に秋を予感させる爽やか土曜日の午後、演奏会も充実した内容となり聴衆の皆さんも大変満足したのではないかと思われる演奏会でした。

中部音教支部 林一成

 

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