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カワイコンサート NO.2180
田中正也×佐藤卓史 ウルトラ楽しいおしゃべりコンサート 開催レポート
2012年9月17日(月・祝) 15:00 開演
会場:広島市東区民文化センターホール(広島県)
今日のカワイコンサートは、田中正也さんと佐藤卓史さんによるデュオコン サート。若手ピアニストとして名高いお二人の共演をとても楽しみにしていました。ステージ衣装のブルーとピンクのように、演奏も正反対かと思っていましたが、2台のピアノだとは思えないほど、音色が溶け合っていました。また、演奏の合間のお話も楽しく、誰が聞いてもわかるように工夫されているのが印象的でした。
アルメニア狂詩曲では、オープニングから切なく、悩ましい歌い方に引き込まれました。中盤では民族的なリズムの中にも優雅さ、華やかさが漂っており、躍動的な佐藤さんの土台に田中さんの高音パートが加わって、ホールいっぱいに響いていました。
モーツァルトにおいては天国を思わせるような軽やかさで対話をしっかりとされており、お互いがお互いの演奏を活かそうとされているのが印象的でした。
田中さんはロシアにお住まいという事もあり、3曲目のストラヴィンスキーが特に素晴らしかったように思います。三体の人形の動きが手に取るように分かる、物語を聞いているかのような演奏でした。
後半のピアノソロの4曲は、お話にもありましたが「誰でも聞いたことのある曲」で聴きにきている子供たちには、特に嬉しいプログラムであったに違いありませ ん。
そしてプログラム最後のラ・ヴァルスは圧巻でした。オーケストラが演奏しているのかと思う程、音色の豊かさは素晴らしいものでした。ワルツの軽やかさや上品さを最後まで保ちながらも情熱的な2人の音楽の世界に引き込まれ、息をするのも忘れる程でした。
今年がドビュッシー生誕150周年という事もあり、アンコールの「小組曲よりメヌエット」を含め、今日はドビュッシーの作品が4曲も演奏されたのも嬉しかったです。色彩の変化が計算しつくされたドビュッシーでした。
どのプログラムも「ピアノが喜んでいる」と感じられる演奏で、お話からも演奏からも「音楽・ピアノ」に対するお二人の「思い」が伝わってきました。
「CD全部欲しい〜!」とサインの列に並ぶ小さな男の子もおり、年齢を問わず聴衆の心をつかむ、幸福感に満ちた演奏会でした。
カワイ音楽教室 広島事務所 松本 麻美
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