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カワイコンサート NO.2177
関本昌平 ピアノリサイタル 開催レポート
2012年6月5日(火) 18:30 開演
会場:仙台電力ホール(宮城県)

 

 街路樹の緑もすっかり色濃くなり、初夏を思わせるような天候の6月5日、仙台市中心部にある電力ホールで、関本昌平さんのピアノリサイタルが開かれました。会場には子どもさんの姿も多く見られ、さすがに普通のピアノリサイタルとは違う、カワイコンサート独特の雰囲気です。関本さんは、2007年にもこの会場でカワイコンサートを行っており、若さあふれる演奏が心に残っているので、5年経った今回のコンサートを楽しみにしていました。

 第一曲目は、ベートーヴェン「ソナタ 月光」。濃い黄色の大きな満月が、時々雲に隠れたりしながら徐々に欠けて行く昨夜の「月食」をもう一度見ているかのように、静かに音楽は流れて行きました。第二曲目は、ブラームス「4つの小品 Op.119」。関本さんは椅子に腰掛けてもすぐには弾き出さずに、両手をピアノのフレームにかけたまま、しばらく精神統一。ゆっくりその手を下ろし、そっと弾き出したその音は、まるで心の扉を密やかにノックし、少しずつ扉を押し開けながら徐々に中まで入り込んでくるような感じでした。おずおずと入り込んで来た音はやがて豊かな響きとなって心の中をいっぱいに満たして行くようでした。

 休憩を挟んでの後半は、ショパン「英雄ポロネーズ」で始まりました。圧倒的なテクニックで安定感のある自信にあふれる演奏だったと思います。そしてドビュッシー生誕150年ということで「2つのアラベスク」の演奏は、淡い水彩画のような印象で、音色の変化を楽しめました。次はもう一度ブラームスで「間奏曲Op.118-1、2」の2曲。関本さんのブラームスに込めた熱い思いが伝わって来て、立体感と深みのある音色が印象的でした。

 プログラム最後の曲はショパン「スケルツォ第2番」。ショパン国際コンクール第4位の実力を裏付けるような確固たる演奏だったと思います。音が空気中に溶け込み、香りとなって会場に漂って来るような、流れる空気感が変わったように感じられました。

 満場の拍手に応えてのアンコールは、ブラームス「3つの間奏曲 Op.117-1」、ショパン「小犬のワルツ」の2曲でした。現在の関本さんの一番の主軸になっていると思われるブラームスと、ショパンの作品で締めくくられ、この日のコンサートはますます満足感のあるものになったように思います。

                         仙台事務所 中央ブロック講師 可沼道子

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