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カワイコンサート NO.2171
岡田 将 ピアノリサイタル 開催レポート
2011年10月14日(金) 18:30開演(18:00開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:広島市西区民文化センター(広島県)

  

 秋口には珍しく午後からまとまった雨が絶え間なく降り続いた日でした。こんなに雨が降って、お客さんは大丈夫かな?といった心配をよそに岡田さんの華麗な演奏が始まりました。

 一曲目のハンガリー狂詩曲第15番「ラコッツィ行進曲」を聴いたとたん、なんて楽器を良く響かせる演奏なんだろうと思いました。テクニックも素晴らしく、演奏にどんどん引き込まれていきました。

 二曲目の「ため息」もメロディラインが浮き立つようで分散和音もとても美しく、今までに聴いた事がない程明確で分かりやすい表現で、魅力的な演奏でした。続く「愛の夢」、「ラ・カンパネラ」も美しい音、甘い表現、細部に渡る表現どれも聴き逃すまいと思った程でした。

 「死の舞踏」では冒頭部ディエス・イレの主題から地響きがするような音、パワフルな音、そして技巧表現に圧倒されてしまいました。

 後半はリストの大曲「ソナタロ短調」、多彩な表現に感銘を受けました。アンコールの時のお話も楽しく、岡田さんの気さくなお人柄が伝わってきました。

 是非、広島の地でまた演奏して頂きたいと思います。とても素敵な一日になりました。有難うございました。

増岡 寿恵

 

 岡田さんの演奏は、一音一音が会場のすみずみまで響き渡り、またその一つ一つが色彩豊かであり、喜びや苦悩等、様々な想いが伝わってくるものでした。

 「ため息」のハープのようなアルペジオの中に浮かびあがるメロディラインはとても美しかったです。ため息には幸せな時、逆に疲れてしまった時、色々な場面で多様な意味を含んでいると思いますが、まさにそのことに気付かせてくれるような、心地良いため息を聴く事ができました。「ラ・カンパネラ」は、繊細でありながら男性的な力強さを感じる演奏でした。特に高音の煌びやかな音色と、低音のパッセージの迫力には圧倒されました。

「愛の夢」では温かみを感じる音の中に響くメロディが素敵でした。力強く感じる反面、深みのある音が際立ち、穏やかな気分になりました。

 リストはメフィストワルツのように、悪魔的イメージや死をモチーフにした作品を残していますが、岡田さんの「死の舞踏」の演奏は正にそれらを彷彿とさせる音色でした。死の近付きは私達に不安や恐怖を感じさせますが、それを迎える悪魔にとっては楽しみで仕方ないという想いの対比が感じられる演奏でした。

 長大であり難易度が高いリストの「ソナタ」。激しさ、静けさ、様々な動きと色彩豊かな岡田さんの音色と見事な演奏が私達を魅了しました。ピアノ一台でオーケストラのダイナミックな音楽を聴いてると思わせるような音色、音量、演奏で圧倒されるばかりでした。

 リストイヤーにふさわしいオールリストのプログラム。リストの作品の素晴らしさの裏に演奏の難しさがあることは、演奏に臨んだことのある人は誰しも知っていると思いますが、それを少しも感じさせない、魅力的な演奏会でした。

 また、アンコールの時にお話をされましたが、演奏されている時のイメージとはまた違って、いまどきの言葉で言うなら「ゆるキャラ」で会場を和やかな空気にされていました。そのギャップにも好感が持てました。音楽の無限にある可能性を改めて感じさせらせると共に、自分の音楽観を見つめ直す良い機会になりました。

                                 上田 紗央理

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