稲田潤子ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2167
稲田潤子ピアノリサイタル開催レポート
2011年10月7日(金) 18：30開演（18：00開場）
主催：カワイ音楽振興会
会場：宇都宮市民文化会館小ホール（栃木県））

　数日前の肌寒さが嘘のような、清々しい青空が広がった10月７日、宇都宮市文化会館にて、稲田潤子さんのリサイタルが開催されました。

　稲田さんは、とても穏和な優しい雰囲気をお持ちの方に見えましたが、リハーサルで入念に曲想や音色のチェックをなさる姿からは、演奏する1曲1曲への愛情と、聴衆の皆さんに最高の演奏を届けたいという強い想いを感じました。

　そんな稲田さんのライフワークとも言えるサティの「３つのグノシェンヌ」から始まったリサイタルは、音色がホールに響き渡った瞬間から、お客様が演奏に引き込まれていくのが手に取るように分かりました。

ラヴェル・ショパンと続いた演奏は、全ての音に付いた「色」が本当に見えるようなカラフルな印象を受けました。

　第2部では、今年生誕２００年を迎えたリストの「巡礼年報第1年・スイス、第2年・イタリア」の２曲からの演奏でしたが、こちらは「色」だけではなく、この２つの国の「風景」が浮かんでくるような演奏に、会場からは満場の拍手と共に「ブラボー」の声が掛かるほどでした。

　アンコールでは、ラフマニノフの「鐘」、ショパンの「小犬のワルツ」を演奏され、お客様を魅了しました。とても素敵な一夜となりました。

カワイ音楽教室　栃木宇都宮事務所講師　中山真寿美

　