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カワイコンサート NO.2165
佐藤卓史 ピアノリサイタル 開催レポート
2011年8月4日(木) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:石川県立音楽堂 コンサートホール(石川県)

 

 8月4日(木)石川県立音楽堂コンサートホールにて、ピアニスト佐藤 卓史さんをお迎えしてのカワイコンサート2011が開催されました。佐藤さんは1983年生まれで、まだまだお若いながらも、数々のコンクールで素晴らしい成績をおさめていて、最近では、イタリアのカントゥ国際ピアノコンクール クラシック部門で優勝され、今、最も注目される若手ピアニストということもあり、開演前から、たくさんの幅広い年齢層のお客さんや、佐藤さんの熱烈な追っかけファンとみられるお客さんで、ロビーは活気に溢れていました。

 今年はリスト生誕200年のリストイヤーということで、メインプログラムは第2部の、リストのソナタ ロ短調 S.178。第1部は、リストがドイツの作曲家ということでドイツつながりから、バッハのフランス組曲 第5番 ト長調 BWV816と、ベートーヴェンのソナタ 第32番 ハ短調 作品111。

 第1部1曲目。バッハのフランス組曲第5番。この組曲は、有名なガヴォットが含まれているため、ピアノのお勉強中の若い子供たちも楽しみにしていたようです。第一印象は、「なんて生き生きとした演奏でしょう!」。一つ一つの音がクリアで正確なのはもちろん、軽やかで、音が輝いているようでした。構成もとても分かりやすく、学生にとっても勉強になる演奏だったのではないでしょうか。

 第1部2曲目。ベートーヴェンのソナタ第32番。ベートーヴェンのソナタの最後の作品であるこの曲は、劇的な激しさを持つ急速な第1楽章と、カンタービレの第2楽章からなる傑作です。この曲も解釈が分かりやすく、深く情熱的な低音も、きらびやかで甘い高音も、どちらの音色も魅力的で、この曲のすばらしさを改めて発見させていただきました。

 第2部。メインのリストのソナタ ロ短調。この曲は、ゲーテのファウストに影響を受けて書かれたとされる大傑作で、佐藤さんのすばらしいテクニックと情熱に、ピアノが喜んでいるようでした。鳴り止まない拍手の中、アンコールにリストのコンソレーション(慰め)と愛の夢第3番の2曲を演奏してくださり、うっとりとしたため息の中コンサートは終了しました。

 佐藤さんの益々のご活躍を楽しみにしております。すばらしい時間をありがとうございました!

 

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