東誠三ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2164
東誠三ピアノリサイタル開催レポート
2011年7月15日(金) 18：30開演（18：00開場）
主催：カワイ音楽振興会
会場：札幌コンサートホール Kitara 小ホール（北海道）

　札幌では7月でも肌寒い日があり、この日も上着を羽織って外出するような7月15日、東誠三さんをお招きしてのカワイコンサートが開催されました。

プログラム第一部は
ベートーヴェン：ソナタ　第12番　変イ長調　作品26「葬送」
　　　　　　　　ソナタ　第14番　嬰ハ短調　作品27-2「月光」
　最初の第一音を出すまでの集中力・緊張感を聴衆である私たちも肌で感じ、音が出た瞬間から音楽の世界に引き込まれました。音の表情が豊かで幅広く、改めて「ピアノ」という楽器の奥深さを感じました。また、弾き手によってこうも響きが変わるものかと驚くばかりでした。

プログラム第二部は
リスト：巡礼の年「第1年スイス」よりオーベルマンの谷
　　　　ソナタ　ロ短調　S.178
　一音一音に込められたピアニストの思いが、決して押しつけがましくなく聴衆に伝わってきました。なかでも緻密に計算された音楽の構成力は圧巻でした。音楽の語り口から、しばしば情景が目に浮かぶようで、まるで異国にいるような錯覚に陥るほどでした。

アンコールは
リスト：愛の夢
　　　　ラ・カンパネラ
　有名な曲のアンコールに聴衆の表情には喜びが溢れ、ピアノを習っているこどもたちは、ステージに憧れのまなざしを向けていました。

　ピアニストの、その誠実で素晴らしい演奏に胸がいっぱいになり、外の寒さとは反比例して心温まる一夜となりました。

カワイ音楽教室札幌事務所　ピアノリーダー講師　湯浅満希子

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