若林顕ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2161
若林顕ピアノリサイタル開催レポート
2011年6月10日(金) 19：00開演（18：30開場）
主催：カワイ音楽振興会
会場：慶應義塾協生館藤原洋記念ホール（神奈川県）

　梅雨時期にもかかわらず、よく晴れ緑のきれいな6月10日、慶応義塾協生館　藤原洋記念ホールで、若林顕さんのリサイタルは開催されました。

　生誕200年にあたり「ピアノの魔術師」ともいわれるリストの、しかも「オールリストプログラム」ということで、生徒さんをはじめ、講師もとても楽しみに当日を迎えました。

　「２つの伝説」から始まったプログラム。1曲目から、もっと言えば1フレーズ目から、会場全体がひとつの空気に包まれるような、心地よい一体感を感じました。

　それは、ある講師も話していましたが、ピアニストの若林さんの奏でる音楽が呼吸をしていて、その呼吸を観客のみなさんが感じていたからではないかと思います。

「愛の夢第3番」や、「4つの忘れられたワルツ」での繊細な響き、圧等的な存在感の「超絶技巧練習曲」、「スペイン狂詩曲」での躍動的なリズムなど、カワイコンサートグランドSK-EXの素晴らしい音色とともに、リストの世界に酔いしれたあっという間の時間でした。

　アンコールでは、コンソレーションを演奏されました。3月に東日本大震災があり、どことなく閉じていた私たちの心へ、直接響いてくる「なぐさめ」の演奏に心を打たれ、音楽の持つ力をあらためて感じたコンサートでした。

カワイ音楽教室　横浜事務所　指導講師　水谷祐子

　