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カワイコンサート NO.2148
岡田 奏 ピアノリサイタル 開催レポート
〜 心の調べ、変化と愛と真実への追求 〜
2010年7月7日(水) 18:30開演(18:00開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:青森市民ホール(青森県)

 

 平成22年7月7日、青森市民ホールにてカワイコンサート第2148回《岡田奏ピアノ・リサイタル》が行われました。開場前から、コンサートを心待ちにする多くのお客様が列を作りました。

♪演奏プログラム♪

ショパン

 子守歌 変ニ長調 作品57

 バラード 第3番 変イ長調 作品47

 ポロネーズ 第5番 嬰へ短調 作品44

 舟歌 嬰ヘ長調 作品60

バッハ

 パルティータ 第2番 ハ短調 BWV.826

プロコフィエフ

 ソナタ第6番 イ長調 作品82「戦争ソナタ」

 プログラムには、岡田奏さんからのメッセージが次のように載せられています。
「今夜、皆様にお届けするプログラムは、私の思い入れのある曲ばかりで、今までの私の集大成となっています。私の音楽の言葉を、めまぐるしく変化した音楽に対する想いや思想を、皆様に全身全霊で伝えられればと思っています。(抜粋)」

 現在19歳の奏さんは、今まさに躍進のときにあります。今年4月には、10月から始まる第16回ショパン国際ピアノコンクール本大会に出場を決め、また6月には、パリ国立高等音楽院ピアノ科を首席で卒業されました。驚くほどのスピードで洗練されていく奏さんの演奏、今回はどのようなものとなるのか、期待がふくらみます。

 前半、ショパンの演奏が始まると同時に、その音色の美しさに陶酔させられました。ポロネーズの力強さ、バルカロールの幻想的な揺らめきも、会場中にきらきらと絵が描かれるようでした。

 後半はバッハから。その正確で綿密な演奏に圧倒されました。そしてプロコフィエフにはその迫力に熱気がみなぎりました。

 これまで何度も聴いてきた曲であるはずなのに、奏さんの演奏を聴くと新たな形式が見え、新たな旋律が聞こえてきます。はたしてこんなメロディがあったのだ!と、いつも気付かされます。それは、ただ目新しい演奏だいうこととは違います。奏さんの正確な演奏の中に、それまで見えていなかったその曲の魅力や様々な音楽的要素が、きちんと見えてくるのです。

 また、その音色の美しさにも、思わず引き込まれます。特にppが、こんなに心地よい響きを持つものだということに驚きます。極限まで肌理細やかなppの音群の中から、聴くべき音がじわじわと浮き上がってくるようでした。

 奏さんの演奏を聴いていると、聴き手の音楽的レベルにかかわらず、その作品の格が見えてくるような気がします。たとえその曲を知らなくても、その楽譜をじっくり見たことがあるような、あるいはその作曲者に会ったことがあるかのような気がしてくるのです。これは奏さんの、毎日の緻密な研究と厳しい研鑽の賜物だと思います。聴いている私たちにまで、その作品の本質を垣間見せてくれるのではないでしょうか。

 作品の中にある、和音や旋律やリズムといった全ての要素が、各々に意味を持ち始め、それらがお互いに結びつき合い、生き生きと機能し始めるのです。そうして、えもいわれぬ美しさと、躍動感のある音楽が立ち上がってきます。

 およそ2時間の演奏会に素晴らしい幸福感を感じました。

   大黒亜紗子(だいこく あさこ 東京藝術大学楽理科卒業 八戸市在住)

 

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