稲田潤子ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2144
稲田潤子ピアノリサイタル開催レポート
2010年6月4日(金) 18：30開演（18：00開場）
主催：カワイ音楽振興会
会場：前橋テルサホール（群馬県）

　前橋テルサホールにて、カワイコンサート「稲田潤子ピアノリサイタル」が行われました。稲田潤子さんは日本のみならず、フランスを中心にヨーロッパ各地で活躍するピアニストです。プログラムには、今年生誕200年を迎えた「ショパン」と「シューマン」がとりあげられました。

　ショパンの作品は、ノクターン　ハ短調　作品48-1、ポロネーズ　嬰へ短調　作品44、4つのマズルカ　作品24、バラード第1番　ト短調　作品23の4曲。そしてシューマンは、幻想曲　ハ長調　作品17。聴き応えのあるプログラムです。

　響きの良いこのホールでの稲田さんの演奏は、とても繊細な柔らかい表現があったかと思えば、男性的とも言える豪快なタッチも有り、同じピアノから出ているとは思えない多彩な音色で大変美しく、胸に迫ってくるものが有りました。

　鳴り止まない拍手に応えてのアンコールは、小さな子供にもお馴染の小犬のワルツなど、トークを交えて3曲も演奏して下さいました。その飾らないお人柄と楽しいトークに、一段とステージと客席との距離が縮まり、会場が一つになったようなとても良い雰囲気で終演となりました。

　コンサートの余韻に心地よくひたりながら、また機会が有れば稲田さんの演奏を聴きたいと思いました。今後のご活躍を楽しみにしています。