海老彰子ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2143
海老彰子ピアノリサイタル開催レポート
2010年6月2日(水) 19：00開演（18：30開場）
主催：カワイ音楽振興会
会場：三井住友海上しらかわホール（愛知県）

　

　2010年6月2日、爽やかな風薫る夜、名古屋の三井住友海上しらかわホールにて、海老彰子さんによるカワイコンサートが行なわれました。今年はショパン生誕200周年を祝して、ALLショパンのプログラムによる演奏で、有名な聴き応えのある曲が満載という影響もあってか、小・中・高校生の姿も多く見られる中、どんなショパンが繰り広げられるのか、楽しみに開演を待ちました。

　舞台に登場した海老さんは、本日のショパンの曲のイメージに相応しい真っ赤なヒールとドレス姿で颯爽とステージに現れ、即興曲4曲を一気に演奏されました。

　大きな拍手と共に開演に遅れたお客様が会場入りして2階はほぼ満席状態の中、続いてノクターンを２曲とバラード演奏され、前半が終わりました。

　そして休憩をはさみ後半は、急速なテンポで、クルクル旋回して踊るイメージがとても軽快な『タランテラ』、ゆったりと穏やかに進むゴンドラのイメージに始まりドラマティックに展開される『舟歌』、そしてソナタ第2番が演奏され、615名の聴衆を沸かせてプログラムが終わりました。

　盛大な拍手に応え、当初2曲の予定だったアンコールを、コメントと共に4曲演奏され、海老さんの気さくなお人柄にも少し触れる事が出来たようなひと時でした。

　全体を通して、様々な曲想の中での魅力を引き出す演奏で、場面毎のイメージや切り替えが素晴らしく、パワフル＆色彩感豊かな音色と表現力がとても印象的でした。そして、ピアニストのそんな要求に応えてくれるSHIGERU KAWAIのピアノの素晴らしさも改めて感じたコンサートでした。

ピアノ専門講師：遠近美香