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カワイコンサート NO.2152
熊本マリ ピアノリサイタル 開催レポート
2010年10月8日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:北九州市立響ホール(福岡県)
ショパン生誕200年記念の年、ショパンコンクール開催真っ只中の10月、響ホールでは熊本マリさんをお迎えしてカワイコンサートが開催されました。熊本マリさんは、マスメディアでもよくご登場され、今時に言うならば、「綺麗過ぎるピアニスト」と思っており、コンサートの日を楽しみにしていました。ご本人は、テレビで拝見しているままで、端正なお顔立ち、透き通った肌、透明感のある声、立ち振る舞いも凛とされていました。会場でも「やっぱり、華があるねぇ」と言う声があがっていました。コンサート前半は、オールショパンと楽しいトーク。熊本マリさんのご先祖は北九州だとおっしゃられ、近い存在になった様に感じ嬉しくなりました。そして、少女時代の練習嫌いだったお話や、スペインで過ごした時の褒めて下さる先生のお話で「褒められると嬉しくなってやる気が出る」は改めて喜びのある事の大切さを感じさせられました。
多くの生徒さんも楽しみにしている、別れのワルツ、小犬のワルツ、雨だれ、ノクターンハ短調、Op.9-2、Op.9-3、プレリュードOp.28-4、ワルツOp.34-3、Op.69-2、ノクターン嬰ハ短調と、誰もが一度は弾きたいと憧れる曲ばかり。とても優雅であり、澄んだ音色、静けさの中にも熱っぽさのある演奏で、ご来場の皆さんの弾きたい気持ちも跳ね上がった様です。
少し茶目っ気のある感じで「拍手のお願い」(ステージから背中が見えなくなるまで大きな拍手)をされ、「拍手が大きいと演奏家は乗ってくる」とおっしゃっていましたが、演奏の素晴しさへの拍手と共に、「会場の拍手が段々スペイン風な拍手になってきた」と熊本マリさんからの褒め言葉に、会場はどんどん盛り上がっていきました。
ステージ後半は、スペインの作曲家の作品です。モンボウのピアノ全作品を世界で初めて録音されるきっかけになった曲のお話「少女時代に行っていたラローチャのコンサートでいつもアンコールに演奏される曲が心に響くもので、10年後頂いたレコードにその曲がたまたま入っていてモンボウの「秘密」だと知った」は、運命的な素敵なお話だなと思いました。そして、その「秘密」は、どこか切なく、それでいて安らぎのある曲でした。モンボウについては、熊本マリさんが説明して下さいましたが、モンボウ自身がショパンを敬愛していた事や、ファーストネームが同じだったり、ピアノの作品が多かったりと共通点が沢山あり「スペインのショパン」と呼ばれているそうです。また俳句をしていた事もあり、曲想が東洋的、神秘的で、お香の香りの様にじわじわっとくる、また、墨絵の世界の様だとおっしゃっていました。本当に心地よく、また憂いのある響きで、且つ情熱的、歌う心を感じられる演奏でした。これをきっかけにモンボウの虜になった方も多いのではないでしょうか。熊本マリさんが後半へ行くほど盛り上がるとおっしゃっていた通りになり、あっという間にアンコール。エジプトでも大好評だったという「おてもやん」、またファリャ「火祭りの踊り」は格好よくパワフルでした。そしてしっとりとマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲」。
終演後のサイン会では、間近で拝見でき、握手も気さくにして下さり皆さんご満悦でした。スタッフとの記念写真も素敵な笑顔で写って下さいました。本当に、余談ですが、私の靴を褒めて下さり、恐縮しながらもかなり舞い上がってしまいました。
八幡ブロックリーダー講師 篠木麻美
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