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カワイコンサート NO.2149
熊本マリ ピアノリサイタル 開催レポート
2010年9月10日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:松本 ザ・ハーモニーホール主ホール(長野県)
9月10日、松本は演奏者を歓迎するかのように青空が広がり、気持ちの良いコンサート日和に恵まれました。熊本マリさんは何度かいらっしゃっているという松本駅へは、サングラスにジーンズ姿で颯爽とやって来られました。会場へ向かう道すがら、信州の『おやき』がお好きだというお話などいろいろと伺い、すぐに親しみを感じられるお人柄に、夕方の演奏会がとても楽しみになりました。
開演時刻になると、会場は大人の聴衆に混じって音楽教室の生徒さんも大勢着席し、演奏者の登場を待つ心地よい緊張感と期待で静まっていました。
拍手の中、熊本マリさんがピアノの前に座ると同時に、一曲目の「別れのワルツ」がすぐに流れ出し、会場内は一瞬にしてショパンの優美な世界に浸っていきました。
マリさんのピアノは、とてもエネルギッシュに響き渡ったかと思えば繊細に語りかけるように歌う、ダイナミックで引きつけられる演奏でした。
興味を引かれたのは、前半のショパンのプログラムの間、子どもたちが多いからと一度もステージ袖に下がることなく、いろんなお話しを沢山してくださったことです。
ショパンが「雨だれ」を作曲した背景や、マジョルカ島で弾いたショパンのピアノの思い出、また、小さい頃のレッスンのお話など、子どもたちも演奏とお話を十分に楽しんでいる様子が見て取れました。
後半は、マリさんが長年過ごされたスペインの地が生んだ作曲家、モンポウとラレグラの作品が、期待どおりに聴衆を魅了しました。
「モンポウは墨絵のようにシンプルだが癒される音楽」と語ったマリさんの衣装は、白地に黒の大胆な絵柄のスカートで、まるでモンポウの音楽を連想させられるような個性的で素敵な装いでした。
予定されたプログラムが終わり、会場いっぱいの拍手に、丁寧な解説を加えた三曲ものアンコールを演奏してくださったあとは、ロビーでのサイン会へと移りました。
県内外の遠くからもいらした様々な方々と、丁寧に握手をされたりお話されたりと、温かい雰囲気の中でのサイン会となり、皆さん口々に「とても素晴らしかった」「お話があってわかりやすかった」「小品が多く聴きやすかった」と満足顔でお帰りになり、コンサートは盛会のうちに幕を閉じました。
熊本マリさんには、演奏者と聴衆が一体となった心に残るコンサートを開催できましたことに、改めて心よりお礼申し上げます。
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