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カワイコンサート NO.2134
佐藤卓史 ピアノリサイタル開催レポート
2009年10月23日(金) 18:30開演(18:00開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:秋田アトリオン音楽ホール(秋田県)
秋田出身のピアニスト佐藤卓史さんのリサイタルが秋田市に在る音楽専用ホール「アトリオン音楽ホール」で開催されました。日本音楽コンクール第1位を始め、数々の受賞暦のある、世界中で活躍されている佐藤さん、それに地元出身と言う事もあり、受付前のロビーは溢れんばかりの長蛇の列でごった返していました。秋田でのリサイタルは1年半ぶり。成長した佐藤さんの演奏を心底期待し楽しみにしている様子がうかがわれました。アトリオン音楽ホールには国内外のピアノが4台設置されています。今回はその中の“EX”でなく、佐藤さんのたっての希望で秋田では初めての“SK-EX”での演奏会となりました。佐藤さんの奏でるSK-EXの音がほぼ満席状態のホール全体を包んでしまったかのようでした。
佐藤さんの演奏はどの音も大切に丁寧に弾かれ、そして音はクリアに鳴ります。佐藤さんのお人柄なのでしょうか。それに加えて、1曲1曲がよく考えられていて明確に様式と音色を弾き分けるテクニックも流石でした。
プログラム1曲目は、ヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」 音の粒が綺麗で粒立ちも良く、複雑なアーティキュレーションを難なく弾きこなし、まるでチェンバロを聴いているような錯覚さえ覚えました。鍛冶屋がホールにいるかのような楽しい雰囲気をかもし出していました。
ガラッと雰囲気が変わり2曲目はシューベルト「ピアノ・ソナタ イ短調 作品42 D.845」 多彩な音色で聴く人を引き付け長い曲も飽きさせない演奏でシューベルトのいろいろな感情が見事に表現され素晴らしい演奏でした。
休憩を挟み、ショパンの作品が3曲演奏されました。
1曲目は、「ポロネーズ 第6番 変イ長調“英雄ポロネーズ”作品53」 とても安定した、力強い、そしてフレーズの歌いまわしがとても上品な演奏でした。続いては「子守歌 変ニ長調 作品57」弱音の美しさが際立ち心地よく、会場の全ての人たちを優しい気持ちにさせてくれました。3曲目は「舟歌 嬰へ長調 作品60」遅すぎないテンポ設定で音量にかかわらず悲しみが伝わってくる演奏で、ゆれの中でのいろいろな音の織りなす紋に酔いしれてしまいました。
プログラム最後の曲はプロコフィエフ「ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調作品83“戦争”」タッチの正確さ、曲の流れ、迫力、たっぷりの情感、緊張感の持続・・・圧巻でした。
曲が終わったと同時にこの若いピアニストに皆、割れんばかりの拍手を送っていました。
アンコールかと思いきや佐藤さんがマイクを持ってステージに現れ、「秋田の方たちにこの良いホールでこのSK-EXの素晴らしい音を是非聴いて欲しかった」とSK-EXのピアノの説明、ご自分との出会いなどをとても熱心に熱く語ってくださいました。
その後、アンコールに答えて「ショパン:夜想曲 第20番 嬰ハ短調 “レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ”」「ショパン:タランテラ 変イ長調 作品43」を演奏してくださいました。
演奏もプログラムもとても楽しめた素晴らしい内容の演奏会で、佐藤さんの見事な演奏の余韻がSK-EXの響きと共にホールにいつまでも残っているかのようでした。
佐藤さんの今後の活躍が大変楽しみです!
秋田事務所:渡部・辻
今日が誕生日のお子さんとツーショット。笑顔で快く撮影に応じていただきました。
終演後のロビーには、CDとサインを求めるお客様で長蛇の列ができ、佐藤さんはその一人一人に丁寧に応じてくださいました。
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