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カワイコンサート NO.2118
イリーナ・ザハレンコヴァ ピアノリサイタル開催レポート
2009年5月24日(日) 14:00開演(13:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:北九州市立響ホール(福岡県)

エストニア出身のピアニスト、イリーナ・ザハレンコヴァさんのコンサートが、北九州市立響ホールで開催されました。プロフィールには数々の受賞歴が書かれてあり、現在はフィンランドに在住のイリーナさんのピアノがどのような演奏なのか、大変興味を持って開演を待ちました。白い肌に、紫の素敵なドレスに身を包んだイリーナさん。今回のコンサートチラシや1月に放送されたNHKの番組でも超短髪だったため、ボーイッシュなイメージを持っていたのですが、ステージに現れたイリーナさんはすごくチャーミングで、かわいくて、客席から思わずため息!!でした。

いよいよ開演。最初はバッハ『イギリス組曲第2番』イ短調BWV807。チェンバロ奏者としても活躍していらっしゃるとの事、各声部の弾き分けはさすがです。その中でも特に感じたのは、よく響く低音で、オルガンの音を現代のピアノで見事に表現して、その上を美しい音が転がっているようでした。イリーナさんご自身も、この大作曲家がお得意らしく、本当に素晴らしい演奏でした。

次はモーツァルト『ソナタ』変ロ長調KV.333。大変有名な曲で、観客は粒の揃った多彩な音色にすぐに引き込まれていきました。その後、ベートーヴェン『ソナタ』第10番へと続くのですが、1楽章の流れる美しさが2楽章へと上手くつながって、第3楽章のダイナミックさが際立った演奏でした。

いつも聴くベートーヴェンとは一味違い、少々北欧の叙情的香りが漂う演奏だったように感じました。休憩中では、北九州で活躍中の先生方も多数お越しくださっていて、「大変良いですね。後半も楽しみです」とのコメントを戴きました。

後半は、スカルラッティの『ソナタ』ハ長調op.49とト長調op.43の2曲です。チェンバロの軽快なタッチを表現しているようでした。プログラムの最後は、ブラームス『ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ』です。明るく優しい主題は、美しい音色に包まれ、きらめくようなトリルと滑らかな音階で綴られていきます。次第に高度なテクニックと共に厚みを増してゆき、最後はムソルグスキーの展覧会にも似た重厚な締めくくりとなり、聴衆すべてを魅了しました。イリーナさんの『今!』をすべて聴かせていただいたような大曲でした。

アンコールは、ラフマニノフの『プレリュード』op.32-5。大曲の後のコンサートの別れを惜しむかのような響きに、会場はうっとりした雰囲気に。鳴り止まない拍手に戸惑いながらも、小走りに応える姿も大変かわいらしく印象的でした。アンコール2曲目は同じく『プレリュード』op.23-2でした。この有名な曲に観客は大喜びで、コンサートの幕を閉じました。

終演後、ロビーでの写真撮影で、緊張から解き放たれた彼女は笑顔で皆さんに応え、北九州最高!!と、本日の演奏に満足していたようです。

今回、日本に非常に興味を持っての初来日だったようですが、イリーナさんにとってどんな風に映ったかな?とちょっぴり興味があります。前日、空き時間に観光へ行き、大興奮で購入した「ゆかた」を、フィンランドのどこで着るのかなぁ?

今後のご活躍をお祈りします。

レポート:佐野 亜紀子

開場の様子。沢山のお客様が待ちかねていました。

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