トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > カワイコンサート2009 > 関東地区 > アンドレイ・ピサレフ ピアノリサイタル > 開催レポート

カワイコンサート NO.2128
Shigeru Kawai グランドピアノ発売10周年記念特別企画
アンドレイ・ピサレフ ピアノリサイタル
2009年10月7日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:津田ホール(東京都)

 津田ホールでアンドレイ・ピサレフ氏のリサイタルが開催されました。ピサレフ氏は数々の国際コンクールで優勝し、優れたピアニストとして世界各国で演奏活動をなさってきました。また、毎年カワイ主催の「ロシアン・ピアノスクールin東京」の講師をされており、その的確な指導力には定評があります。今回のリサイタルはショパン、ラフマニノフ、リストの作品による非常に魅力的な内容。当日はあいにくの雨、しかも大型台風接近中という状況でしたが、それでも大勢の方がピサレフ氏の演奏を聴きに、津田ホールにかけつけました。

 演奏会はゆったりとしたショパンのノクターン作品55で始まりました。なめらかな旋律が心地よく響く、美しく繊細な演奏でした。続いての曲は《練習曲》作品25です。12曲それぞれが異なるテクニックを要求されるこの曲集を全曲弾き切るのは困難なことです。ピサレフ氏は特に難曲として知られる6番も難なく弾きこなし、豪快な演奏を繰り広げました。この難曲を、困難を全く感じさせずに弾き切るピサレフ氏の力量には、驚くほかありません。

 休憩をはさみ、後半はラフマニノフの《ソナタ》第2番変ロ短調作品36で始まりました。豪快な和音を響かせる一方、叙情的な旋律など、この作曲家の魅力を存分に引き出した演奏でした。

 最後の2曲はリストの作品です。《巡礼の年第2年:イタリア》の中の曲、「ペトラルカのソネット」第104番と《メフィスト・ワルツ》第1番です。これらの曲ではピサレフ氏の演奏もより迫力を増していき、圧倒的な演奏を繰り広げました。ピサレフ氏の白熱の演奏に、客席のお客様もじっと集中して聴き入っていたようです。

 盛大な拍手に応え、ピサレフ氏は最後にチャイコフスキーの《四季》から「10月 秋の歌」、ラフマニノフの「前奏曲」作品23-5、リストの「ラ・カンパネッラ」の3曲を演奏、演奏会を締めくくりました。最後まで高度なテクニックを要する曲を選ぶところに、ピサレフ氏の演奏会に対する意気込みが感じられました。

 

 充実したプログラム、完成度の高い演奏、美しいピアノの響きと、どれをとっても素晴らしい内容だったと思います。ピサレフ氏の演奏を、また聴いてみたいと思いました。

(M.S.)

 

終演後の様子。サインを求められるお客様で長蛇の列。

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > カワイコンサート2009 > 関東地区 > アンドレイ・ピサレフ ピアノリサイタル > 開催レポート