岡田将ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2125
岡田将ピアノリサイタル
2009年6月11日(木) 19：00開演（18：30開場）
主催：カワイ音楽振興会
会場：吹田市文化会館メイシアター中ホール（大阪府）

６月５日の静岡でのカワイコンサートで、とても好評だったとの話を耳にし、演奏をとても楽しみにしていました。天候の心配もありましたが、雨も止み、開場前からたくさんのお客様が駆けつけられました。

まずは、バッハのパルティータで始まり、繊細で美しい旋律を聴くことができました。続いてショパン。ロマンティックでやわらかな音色はとても魅力あるものでした。ノクターンではショパンならではの美しさを感じ、ヴェネツィアのゴンドラを思わせる舟歌では、繊細で優美な音楽を見事に作り出しているように思えました。続く英雄ポロネーズでは、華やかでいて力強い演奏を見せ、観客もどんどん気持ちが盛り上がっていくのを感じました。

また、２部ではブラームスのソナタ。５楽章からなるこの大曲を、力強く、そして確実なテクニックで魅せ、とても充実した内容でした。長い曲ですが、長さを感じさせず、どんどん惹きこまれていくような、そんな感じさえしました。

今回、アンコール曲がなかったのはとても残念でしたが、ブラームスのソナタから感じ取れる感動を、そしてその余韻をそのままの状態でお帰りいただきたいと、ご本人がおっしゃっていたこともとても良く分かるので、それはそれで良かったのではないかと思います。

プログラム全体で見ても構成のバランスが良く、１部ではショパンの親しみやすい曲、２部は岡田さんがとても力を入れてらっしゃるプログラムで、観客の気持ちもとても盛り上がったように思います。今回初めて岡田さんの演奏を聴かせていただきましたが、繊細さと力強さを兼ね備えたとても素晴らしい演奏でした。音楽教室の生徒のお手本となるところもたくさんあったように思います。また、岡田さんの気さくなお人柄もうかがえました。他のプログラムでもまたぜひ聴きたいです。（I.＆I.）

　

開演前のお客様の長蛇の列。そして終演後はサインを求める若い女性達。羨ましー！