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カワイコンサート NO.2106
ヴィクトル・リャードフ ピアノリサイタル
2008年10月3日(金) 18:30開演(18:00開場)
主催:(株)河合楽器製作所
会場:広島市西区民文化センター(広島県)
以前、リャードフさんの講習会を聴講した事があり、その時から一度演奏会に行ってみたいと思っていました。講習会でリャードフさんは「曲が物語を語っている。演奏する私ではなく、曲がそれを語っている。」とおっしゃっていました。曲に取り組む際の精神性の深さにも感動した覚えがあります。今回のリャードフさんの演奏は、まさにそれを表わしているものと感じました。音の柔らかさや美しい響きは聴衆を魅了し、テクニックも素晴らしく、まるで自分の部屋で鼻歌まじりに楽しく弾いているかのような余裕さえ感じました。
前半のリストもとても綺麗でした。二つの『伝説』は物語が絵となって頭に浮かびました。『水の上を歩くパラオの聖フランチェスコ』は、かつて聴いたことのない演奏で、今までに聴いたことのあるものとは全然違い、こう弾くのかと納得するような演奏だったと思います。堂々とした聖フランチェスコが浮かび上がり、本当にうっとりしてしまう素晴らしい演奏でした。
後半のドヴォルザークやラフマニノフの演奏はあっという間で、前半と違ってラフマニノフの力強さや技巧的な音はとてもダイナミックで、表現の幅広さが感じられました。
アンコールは3曲。ラフマニノフ『楽興の時 第3番 ロ短調』はとても素敵で余韻に浸れました。ドヴォルザーク『ユーモレスク』もリャードフさんならではのとても味のある演奏で、さりげなく懐かしい感じがしました。そして最後のチャイコフスキー『青い鳥の踊り』はとてもかわいらしく、情景が色彩をもって浮かび、クールダウンというか、私たちの気持ちをうまく終演へと導いて下さったようで重ねて感動しました。
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