岡田将ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2103
岡田将ピアノリサイタル開催レポート
2008年9月19日(金) 19：00開演（18：30開場）
会場：アクトシティ浜松・中ホール（静岡県）

今回のカワイコンサートはピアニストの岡田将さんをお呼びして、9月18日　アクトシティ浜松中ホールにて開催されました。この日台風13号の接近に伴い、開場時間である18:30頃には強風と大雨により集客が心配されましたが、開場と同時に本物の演奏を求めて詰め掛けた多くの人々で会場はいっぱいになりました。

　

～当日のプログラム～
スカルラッティ：ソナタ　ニ短調　Ｋ.32（Ｌ.423）
　　　　　　　　ソナタ　ホ長調　Ｋ.380（Ｌ.23）
ベートーヴェン：ソナタ　第8番　ハ短調　作品13　「悲愴」
リスト：コンソレーション　第3番　変ニ長調
　　　　ラ・カンパネッラ
ショパン：ポロネーズ　第6番　変イ長調　作品53　「英雄」
ベートーヴェン：ソナタ　第29番　変ロ長調　作品106　「ハンマークラヴィーア」

しっとりとしたスカルラッティのソナタから演奏が始まり、バロック、古典、ロマン派という時代の流れに沿ったとてもわかりやすいプログラムは、岡田さんの奏でる素敵な音色と共に一気に聴く人をそれぞれの音楽の世界へと引き込んでいきました。深い呼吸から生まれる音色は、奥深く重厚なものから華やかで黄金に輝くような音色まで大変幅広く、聴いていて思わず前に乗り出してしまいそうだったことを覚えています。プログラムが進むにつれて演奏者と聴衆には一体感が生まれ、若々しくも優れたテクニックと豊かな表現力によるエネルギッシュな演奏に、客席からは１曲終わるごとに自然と大きな拍手と歓声が沸き起こり、気が付けばもう全曲終わってしまったというようなあっという間のひとときでした。

岡田さんが立ち去った後も鳴り止むことのない盛大な拍手に応えて、岡田さんご本人によるトークの後、中でも一際聴衆の反応が大きかった　リスト　ラ・カンパネッラ　と、愛の夢　第３番　の２曲をアンコールに演奏して下さいました。アンコールの後も素晴らしい演奏にため息交じりの拍手の中、コンサートは終了しました。

現在、ピアニストとしてはもちろんのこと指導者としてもご活躍されており、今後更に発展し続けていかれるであろう世界レベルの演奏を届けて下さった今回のリサイタルは、聴く人の胸を打つ本当に素晴らしいものでした。