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ニューアーティスト・アフタヌーンコンサート2021
Vol.6 出演：岩井 亜咲・三好 朝香・東海林 茉奈 開催レポート
2021年3月25日(木) 14:00〜16:00（13:20開場）
会場：カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
トップバッターの岩井さんは、東京藝大附属音楽高校を経て、同大学２年在学中（演奏時）です。埼玉新人演奏会や2020年ショパン音楽大学春期ピアノセミナー修了コンサートなどに出演しています。
岩井さんの１曲目は「ノクターン ロ長調 Op.9-3」です。間の取り方やルバート感がとても良く、音の出し方も優しく、ノクターンの雰囲気がとても良く感じられる演奏でした。
次は「エチュード」を２曲。「イ短調 Op.25-4」と「ヘ長調 Op.10-8」です。「イ短調」はリズムもきっちりしたメリハリの良い演奏で、「ヘ長調」は細かい音の上行・下降が音の粒が揃っていて気持ちの良い演奏でした。
続いて「３つのマズルカ Op.59」から「１.イ短調」と「３.嬰ヘ短調」の２曲です。両曲とも「ノクターン」同様に間の取り方もルバート感も良く、強弱のメリハリの利いた演奏で、「イ短調」では憂いを含んだところも素敵でした。
最後は「バラード 第４番 ヘ短調 Op.52」です。ショパンの中でも名曲とされるこの曲を、優雅に、テンポ感も良く、動きも流麗で聴き手を飽きさせない演奏を披露してくれました。
２人目の三好さんは、東京藝大、同大学院修士課程を修了し、現在は東京家政学院大学非常勤講師。ラフマニノフ国際コンクール（ロシア）第１位、PTNAピアノコンペティション特級銅賞、日本ショパンコンクール・ファイナリストなど数多く受賞し、オーケストラとも多数共演しています。
１曲目は「ノクターン 変ニ長調 Op.27-2」です。しっとりした素直な表現の演奏で、安心して楽しんで聴けるノクターンでした。
続いて「エチュード」を２曲。「ホ短調 Op.25-5」と「イ短調 Op.25-11『木枯し』」です。「ホ短調」ではエチュードながらとてもロマンティックに聞こえました。『木枯し』では、右手の荒々しい下降音型と左手の力強い主題の繰り返しがバランス良く奏されていて、引き込まれました。
次は「３つのマズルカ Op.50」から「２.変イ長調」と「３.嬰ハ短調」の２曲です。「変イ長調」は実に優しさに溢れた演奏で、間の取り方が絶妙な舞曲です。「嬰ハ短調」では３拍子の軽やかなリズムと、憂いを含んだような優しさのあるメロディーとの対比、バランスが上手く、とても素敵な演奏でした。
最後の「スケルツォ 第３番 嬰ハ短調 Op.39」では、力強さと第２主題の高音部から下降するキラキラした音との対比が素敵で、とても聴かせるスケルツォでした。
最後に登場の東海林さんは、東京藝大を卒業、同大学院修士課程２年（演奏時）に在籍中。第６回ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノ・コンクール（ウィーン）第１位など、コンクールでの入賞歴も多数、ショパン協会賞も受賞。内外のオーケストラとの共演も多数しています。
１曲目は「ノクターン ロ長調 Op.62-1」です。ゆったりとした演奏で、惹きつけられる演奏でした。
次は「エチュード」を２曲、「イ短調 Op.25-11『木枯らし』」と「変イ長調 Op.10-10」です。『木枯らし』では、激しい音の動きが枯葉を舞い上げていく突風のように感じさせます。「変イ長調」でも同様に指の動きは滑らかで、よく回っていました。メリハリの利いたとてもいい演奏でした。
続いて「３つのマズルカ Op.56」から「1.ロ長調」と「３.ハ短調」の２曲です。「ロ長調」ではゆったりとした中に絶妙の間を取り、「ハ短調」では強弱のメリハリも良く、やはり間の取り方が絶妙で、規模の大きさも感じさせました。
最後は「バラード 第４番 ヘ短調 Op.52」です。テンポ感、強弱のメリハリ、間の取り方、盛り上げ方がとても上手く、ニュアンスもあり、なかなか迫力もある演奏で、引き込まれました。
３人ともテクニックはもとより、ピアニストとして華のある存在のようで、今後の活躍がますます楽しみです。
（K.Y.）
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