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東京藝術大学ランチタイムコンサート2020-2021
<音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル Vol.5>
出演:富沢 颯斗 & 戸村 奈央 & 永田 桜子 開催レポート
2021年2月17日(水) 12:00〜13:10(11:20開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 東京藝術大学ランチタイムコンサート2020-2021<音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル Vol.5>が2月17日にカワイ表参道コンサートサロン パウゼにて開催されました。今回の出演は、富沢颯斗さん、戸村奈央さん、永田桜子さんです。

 富沢颯斗さんはシューマン《幻想曲 ハ長調 Op.17》より第2,3楽章を演奏されました。大作を若々しい情熱と瑞々しい感性で聴かせる熱演。大曲としてのスケール感を力強く表現するとともに、シューマンらしい内面の悩ましい揺れ動きを繊細に描写する手腕も見事でした。

 戸村奈央さんによるスクリャービン作曲《ピアノソナタ 第3番 嬰ヘ短調 Op.23》もまた大変情熱的な快演でした。この作品は演奏者に対して過度ともいえる激情や恍惚に達する憧憬を要求する難曲ですが、戸村さんが実に楽しそうに演奏されていたのが印象的でした。楽曲の魅力を自然に表現できる点に演奏者としての器の大きさを感じました。

 永田桜子さんは、バッハ《トッカータ ホ短調 BWV914》とブラームス《パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 第2巻》を演奏されました。バッハでは掉尾を飾るフーガが最も華やかとなるようによく考えて組み立てられていました。ブラームスでは華麗なテクニックを惜しみなく発揮し、推進力に富んだ演奏を披露してくれました。

 個性は三者三様ながら音楽に対する表現力の面でいずれも高いレベルの演奏を聴かせてくれた冨沢さん、戸村さん、永田さん。シューマンの時に病的な情感性や、スクリャービンのエクスタシーなど、西洋音楽では尋常ならざる感覚の表現がしばしば求められますが、確かな技術と豊かな感受性に裏打ちされた表現力によって、作品の真価に臆することなく情熱的にアプローチする姿勢に大変好感が持てました。才能溢れる若き演奏家たちの今後の活躍が楽しみです。

(G.T.)

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