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若桑 茉佑 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.61 》
2021年1月15日(金) 17:20開場 18:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 カワイサロンコンサート in 表参道《東京藝術大学 表参道フレッシュコンサート vol.61》は、若桑茉佑(わかくわ・まゆ)さんのピアノリサイタルです。若桑さんは東京藝術大学卒業、同大学大学院を修了。様々なコンクールでの受賞を経て、コンサートやチャリティーイベント等で活動の場を広げておられます。

 コロナ禍の状況となっておよそ1年、若桑さんがステージ上で語られたのは、次のような内容でした。世界中の人が大変な思いをした1年であったこと、そんな中、自身でステイホームをして、音楽をすること、生きることとはどういうことなのだろうと考える機会になったこと。そして、当夜演奏するシューマン、ショパン、ブラームスという3人の作曲家の作品に対峙すればするほど、やはり人間って素晴らしい、人の心は深くて多彩であるということを教わったように感じた、とのことでした。一曲一曲が、そういう思いを込めて演奏されていきました。

 最初の曲は、シューマンの「子供の情景Op.15」より『1.見知らぬ国』と『7.トロイメライ』。優しい音色で、夢の世界へと誘っていくかのようでした。

 続いて、ショパンの「エチュード ホ短調 Op.25-5」。個性的な響きの美しいテーマと、ゆったりと歌い上げる中間部の対比が見事でした。終結部の眩さは、切なささえ感じます。

 ブラームスの「3つの間奏曲 Op.117」は、暗と明、孤独と温もりに満ちていました。ゆっくりと歩む第1曲、寂寥感と癒しの第2曲、陽の当たらない心の内に柔らかな光が差し込む第3曲。いずれの間奏曲も、生きるということはどういうことなのかを問うているように感じます。

 そして最後の曲は、シューマンの「幻想曲 ハ長調 Op.17」。厚みのある幻想的な音の重なりが、一気に会場に響き渡り、圧巻でした。ロマンティックな抑揚、力強さ、迸る情熱、あらゆる感情が現れては去っていきました。クライマックスでは、高まった思いが溢れ出んばかりに最高潮に達して、ドラマティックに幕を閉じました。

 アンコール曲は、ショパンの有名な「ノクターン Op.9-2」。静かにしっとりと歌い上げました。

 多彩な楽曲に込められた様々な心を、丁寧に紡ぎあげた若桑茉佑さん。今後の活躍が楽しみです。

(H.A)

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