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吉田 夢佳 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.49 》
2020年11月18日(水) 開場17:50 開演18:30(終演予定19:40)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
現在桐朋の4年に在籍している、吉田夢佳さんのリサイタルが開催されました。「それぞれの世界やすばらしさを音楽から感じ取ってほしい」と、ブラームス、スクリャービンで構成したプログラム。友人をはじめ多くの観客が集まり、初のリサイタルは温かな拍手で幕を開けました。まずはブラームスの2作品。《創作主題による変奏曲》はさわやかに。豊かな色彩で若々しさもまだ感じられる《8つの小品》は、晩年の作品群に向かう前の繊細な揺めきも表現されていました。
後半は、スクリャービンです。《2つの詩曲》の第1曲は、神秘和音の効果で霧に包まれたよう。第2曲で強調される猛々しさには、楽器も一層力強く応えます。締めくくりは、ソナタ第9番《黒ミサ》。暗く異様な雰囲気が漂い、やさしさと恐怖を共存させた演奏でした。
会場のパウゼには、現在の師である武田美和子、中井恒仁両氏の演奏会を聴きに幼い頃から何度も訪れているという吉田さん。「この場所で演奏することは長年の目標で、今日夢が叶いました」と笑顔で喜び、来場者にていねいに感謝の気持ちを述べられました。アンコールは、ブラームス《3つの間奏曲》より第2曲でした。
(R.K.)
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