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東京藝術大学ランチタイムコンサート2020
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノジョイントリサイタル Vol.6>
出演:村田 知穂 & 山口 香菜子 開催レポート
2020年11月13日(金) 12:00〜13:30(11:20開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 東京藝術大学大学院の修士課程に在籍する若きピアニストによるジョイントリサイタルが、7回にわたり開催されています。6回目となったこの日の出演者は、村田知穂さんと山口香菜子さんのおふたりです。

 

 まずステージに登場した村田さんは、プーランクの代表的な2つの曲集を披露。《15の即興曲集》は途中間をあけながら、27年をかけて完成したものです。練習曲風でありながら、移り変わる心情が細かく折り込まれているこの作品。各曲に込められた情感の機微、そして奏者の作品に対する深い共感が感じ取れるものでした。

 続いて《15の即興曲集》と作曲期間が重なる《8つの夜想曲》からは抜粋で、第4、7、8番が取り上げられました。タイトルの印象に縛られず、夜を越えたかのように美しくきらめく旋律、そして時折出現する道化めいた雰囲気。ひねりを効かせたプーランクらしさが、自由に表現されていました。

 

 後半は、山口さんによるリサイタルです。ヘンデルの〈シャコンヌ〉は、開放感のある曲想。主題と21の変奏を繋ぐ明るい音色は、誰をも晴れやかな気分にさせるものでした。

 最後はシューマンの〈幻想曲〉。作品にはベートーヴェンへのオマージュ、そして妻となるクララへの想いの2種の要素が込められています。狂気にも感じられる情熱に対し、繊細に迫った演奏でした。アンコールは、シューマン《3つのロマンス》より第2曲。〈幻想曲〉での苦しみを癒すかのような温かい音で締めくくられました。

 9月にスタートした本ジョイントリサイタルシリーズも、残すところあと1回。感染対策上、以前にはみられなかった緊張感が伴いますが、若手ピアニストのみずみずしい感性の光る演奏に接することができる、良い機会となりました。

(R.K.)

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