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長谷川陽子×青柳 晋 デュオリサイタル 開催レポート
2020年9月23日(水) 開演18:30 開場17:50
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 秋らしい風が吹くようになった9月下旬、長谷川陽子さん(チェロ)と青柳晋さん(ピアノ)のデュオリサイタルが開催されました。学生時代からの盟友であるというおふたりの息のあった演奏は、コロナ禍の憂鬱を一時忘れさせてくれる温かなものでした。このような大変な時期だからこそ、生の演奏会に足を運ぶことが重要だと感じたのは、私だけではなかったはずです。

 

 前半1曲目は、ベートーヴェン生誕250周年の今年にふさわしく、彼の《チェロ・ソナタ第4番ハ長調》op. 102-1。序奏が穏やかに語りかけるように始まり、チェロとピアノが寄り添いながら音楽が進みます。Allegro vivaceからの曲調の変化も印象的で、おふたりの音楽の世界に強く引き込まれていくようでした。2曲目は、ブラームス《チェロ・ソナタ第2番ヘ長調》op. 99。芳醇なチェロの音色が心地よく、特に最終楽章での音楽の頂点に向けての展開が非常に魅力的でした。

 

 後半1曲目は、サン=サーンスの《動物の謝肉祭》より「白鳥」。流れるような旋律が美しく、優雅に湖面を進む白鳥の様子が目に浮かぶようでした。続くカサドの《愛の言葉》は、情熱的で自由奔放、色香さえも感じさせる音楽でした。3曲目はピアノ独奏で、リスト《ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調》S.244。最初から最後まで超絶技巧が続き、耳だけでなく目にも楽しいパフォーマンスでした。プログラムの最後は、チェロの巨匠であったポッパーの《ハンガリー狂詩曲》op. 68。チェロという楽器の魅力を存分に聴かせる1曲でした。アンコール曲に選ばれたのは、シューベルトの歌曲《夜と夢》(チェロとピアノ版)。シューベルトの歌曲がチェロで取り上げられることはしばしばあるのですが、特に今回の演奏は弦楽器ならではの味わいが感じられるものでした。満席の会場からは温かな拍手が送られ、和やかな雰囲気のなかで演奏会は閉じられました。

(Y.T.)

 

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