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ニュー・アーティスト ランチタイムコンサート2020 in 表参道
山縣 美季 & 三好 朝香 & 原 沙綾
ピアノ・ジョイントリサイタル 開催レポート
2020年8月26日(水) 12:00開演(11:20開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
使用ピアノ:カワイフルコンサートピアノ SK-EX
今回の「ニュー・アーティスト ランチタイムコンサート」は学部生から修士課程修了の3名のピアニストの方の登場です。
一人40分程の枠には演奏者の個性が詰め込まれていて、迫力満点の時間が楽しめます。一人目は、学部1年生の山縣美季(やまがた みき)さん。一音目から澄んだ良く通る音で始まったショパン≪4つのマズルカ≫作品24が弾き終わると、会場から自発的な拍手が生まれます。同じくソナタ第3番は、オーケストラや室内楽との共演経験豊富な彼女ならではのソリスト的な明快な旋律と交響的で豊かな和声が、ピアノの楽器の魅力をしっかり聞かせてくれます。
二人目は、後進の指導にも当たっている三好朝香(みよし あさか)さん。選曲へのこだわりを感じる緩急の効いたライブパフォーマンスで、オールショパンの6曲プログラムです。幕開けの≪舟唄≫作品60、≪エチュード≫作品25-5は、水面下で煌くような旋律が涼しげに、≪エチュード≫作品25-11では叙情性がさらに前面に現されます。メインに据えられた雄大な≪バラード 第4番≫作品52は納得の大きな拍手を受け、続いて≪マズルカ≫作品17-4、≪ポロネーズ 第6番≫作品53とフィナーレに向けて盛り上がりを増していきました。
三人目は、学部4年生の原沙綾(はら さあや)さん。一曲目のバッハ≪トッカータハ短調≫BWV911は端正に声部を弾き分けながらも、立体的な響きを豊かに聞かせます。続いてショパンの≪マズルカ≫作品17-1 、17-2、最後には≪ピアノソナタ 第3番≫作品58。余韻の調和を重んじながら、深く長い呼吸の上に注意深く運ばれます。その端正な技巧が十分に活きて、フィナーレの壮麗さが開花されます。
久方ぶりの生演奏を聴いた、という方もいらっしゃったでしょうか。会場の感染症対策は、消毒、換気をはじめ万全の態勢で臨まれています。会場に集って同じ音空間を共有する喜びをまた味わいに、「パウゼ」のランチタイムコンサートに足を運んでみてはいかがでしょうか。
(M.S)
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