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ニュー・アーティスト ランチタイムコンサート2020 in 表参道
重森 光太郎 & 野上 真梨子 & 水谷 桃子 開催レポート
ピアノ・ジョイントリサイタル
2020年
8月5日(水) 12:00開演(11:20開場) 14:20終演予定
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
使用ピアノ:カワイフルコンサートピアノ SK-EX

新型コロナウィルス感染症拡大防止のため様々な対策をしております。

 梅雨晴れに恵まれた昼下がり、表参道に演奏会の活気が戻ってきました。本日のチケットは完売御礼。開場後早くからいらっしゃっているお客様も多く、若手のホープたちの演奏への期待も高まっているようでした。

 まずステージに上がったのは重森光太郎さん。最初に演奏されたバッハの《半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903》は深い陰影と豊かな響きに満ちた演奏で、クライマックスは強く印象に残りました。続くベートーヴェンの《ピアノソナタ 第27番 ホ短調 Op.90》でも表現力の豊かさは比類なく、主題同士のはっきりとしたコントラストが特に効果的に響きました。最後に演奏されたのはショパンの《即興曲 第3番 変ト長調 Op.51》と《スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54》。規模の大小こそあれ、どちらもサロン的な軽妙さを持っている楽曲です。重森さんは、ともすると軽業的になりがちな素早いパッセージや重々しくなりがちな分厚い和音を、それぞれ表現豊かに説得力を持って弾き上げていました。

 次にステージに上がったのは野上真梨子さん。演奏されたのはショパンの《24の前奏曲 Op.28》でした。様々な表情と展開が楽しめる24曲は、一曲一曲の規模は小さいものの、すべてを通して弾き切るためには、体力と集中力と表現の幅が求められます。野上さんはそのような曲集を、一曲一曲に愛情を注ぐように魅力的に奏でていました。例えば、曲集ではじめて現れる激烈な前奏曲である第8番ト短調は、それに先立つ沈鬱な短調楽曲や朗らかな第7番イ長調と効果的に対比されており、目の覚めるような効果を生み出していました。また、それと全く対極の繊細さや透明感が求められる第13番嬰ヘ長調などでは、野上さんの表現の幅広さがしっかりと感じ取れました。

 最後に演奏されたのは水谷桃子さん。バッハの優雅で朗らかな《フランス組曲 第5番 BWV 816 ト長調》で幕を開けました。巧みなアーティキュレーションと表現力により、まるで当時楽しまれた舞踊の光景が面前に展開されるようでした。続くショパン《スケルツォ 第2番 変ロ短調 Op.31》は、ショパンならではの和声と旋律の機微をたっぷりと味わうことができました。続いて《12のエチュード Op. 10》から第7番ハ長調、第4番嬰ハ短調、第8番ヘ長調、第10番変イ長調が順に演奏されました。テクスチャの複雑さでよく知られるショパンの練習曲ですが、水谷さんは時に軽やかに、時に華やかにこれらの楽曲の響きを織り上げていました。最後に演奏されたのは華やかで愛らしい《ワルツ 第4番 ヘ長調 Op. 34-3》。細かいパッセージの隅々まで神経が張り巡らされており、歯切れの良さとワルツの高雅さが共存する印象深い演奏でした。

(A.Y)

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