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【5月14日振替公演】
稲垣 拓己 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京音楽大学 表参道 サロンコンサートVol.50 》
2020年11月19日(木) 17:50開場 18:30開演 (19:45終演予定)
※感染症予防のため、公演時間を短縮して開催いたします。
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
東京音楽大学演奏家コースに在籍している、稲垣拓己さんによるリサイタルが開催されました。この日は稲垣さんにとって9ヵ月振りの公演。多様な作品を集め、力の入ったプログラムを披露しました。リサイタルは、モーツァルト《ソナタ第17番K.570》でスタート。晩年の作品に見られる、謎めいた雰囲気が特徴です。第3楽章でふと現れる寂寥感に、演奏の魅力が浮かびます。2曲目は、ドビュッシー《映像第2集》。柔らかな和声で緊張感を和らげ、情景や動きの描写が繊細に感じとれるものでした。
休憩を挟み演奏されたのは、リスト《巡礼の年第2年イタリア》より〈婚礼〉。気品を湛えながら、豊かなドラマを作り上げます。最後はプロコフィエフの《ソナタ第7番》。硬質な響きと、不安に覆われた旋律で表現する屈折した美しさに引き込まれました。
プログラムノートでは、遠隔レッスン等における苦労について触れながらも「舞台上で演奏できる喜びを噛み締めながら、作品、ピアノの良さを伝えたい」と、前向きな稲垣さん。素直で真摯な気持ちが感じられる公演となりました。アンコールはサン=サーンス《6つのエチュードOp.111》より、〈ラ・パルマの鐘〉でした。
(R.K.)
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