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竹澤 勇人 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.46 》
2020年
2月5日(水) 開場18:00 開演18:30
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 桐朋学園の学生によるコンサートシリーズに、現在4年の竹澤勇人さんが出演しました。昨年12月に行われたボン・テレコム・ベートーヴェン国際ピアノコンクールでは2位を受賞するなど、国内外問わず登竜門とされるコンクールで実績を残している注目の若手です。リサイタルは前半をベートーヴェン、後半はブラームスと、ドイツ物でまとめられたプログラムを披露しました。

 幕開けは、ベートーヴェン〈ロンドOp.51-1〉。細やかな情感をすくい、小品によく見られる明るく愛らしいベートーヴェンを聴かせます。

 続くソナタは2作品。《ソナタ第27番》では、正反対の要素がぶつかり合い、感情が率直に表現されていきます。《ソナタ第31番》は、病に打ちのめされていても立ち上がろうとする希望が込められており、対照的な精神状態が表れています。ソナタ2曲を通じ、作曲家の良き表現者であろうとする意思が強く感じられました。

 後半はブラームスです。《3つの間奏曲Op.117》は透明感のある演奏。叙情性が強い作品ですが、感情を抑制し、音楽と向き合います。

 最後は《6つの小品Op.118》。晩年のブラームスが抱えた孤独が反映され、多様な感情が静かに沈潜していくようです。過ぎ去る景色を眺めているかのような、哀愁に満ちた演奏でした。

 会場の拍手に応え、「重厚な作品で構成したプログラムだったので、アンコールには趣味のジャズを1曲……」と言い、ビル・エヴァンスをオマージュしたという作品〈ビル・アット・ピース〉(デイヴィッド・ヘイゼルタイン)を演奏しました。ラヴェル《クープランの墓》の〈フォルラーヌ〉からの影響がうかがえる作品で、本編とは大きく雰囲気を変えた、洒脱なピアニズムを聴かせました。

(R.K.)

 

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