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伊藤 わか奈 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.54 》
2019年11月15日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 秋も深まる11月半ば、「東京藝術大学 表参道フレッシュコンサート」の第54回として、伊藤わか奈さんのピアノ・リサイタルが開催されました。伊藤さんにとって表参道パウゼは、かつて日本音楽コンクールの受賞者演奏会で初リサイタルを開催した思い入れのある会場とのこと。その会場には幅広い世代の方が集まり、開演前から伊藤さんの演奏を今か今かと楽しみにされていました。

 前半は、クレメンティの《ソナチネ ハ長調》op. 36-3で始められました。愛らしい旋律が粒立ちのよい音色で演奏されており、特に音階でのパッセージが美しかったです。2曲目のドビュッシー《版画》は、各曲のタイトル「塔」「グラナダの夕べ」「雨の庭」の情景をそれぞれに連想させる演奏でした。続くショパン《幻想曲 へ短調》op. 49では、骨太な音色が印象的でした。

 後半1曲目には、シューマンの《子供の情景》が取り上げられました。全体を通して、語りかけるような、あたたかで素朴な音色で奏でられており、まさに「シューマンが思い描くクララとの幸せな家族像」(伊藤さんによる楽曲解説より)が投影されていると感じさせるような演奏でした。ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調》「告別」op. 81aでは、特に第3楽章が素晴らしく、楽譜に記された「再会」という言葉にふさわしい、華々しく力強いフィナーレでした。

 今回のプログラムは、色々な作曲家の色々な音を楽しんでほしいとの思いで構成したという伊藤さん。その言葉どおり、クレメンティ、ドビュッシー、ショパン、シューマン、ベートーヴェンと、それぞれにタイプの異なる音楽を多彩な音色で奏で、充実した2時間を届けてくださいました。アンコールには、ショパンの《ワルツ第7番》op. 64-2と《ポロネーズ第6番》「英雄」op. 53が披露され、和やかな雰囲気のなか演奏会は閉じられました。

(Y. T.)

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