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井森 芽子 & 岩井 亜咲 & 鴨川 孟平
ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学 ランチタイムコンサート2019・2020 in 表参道
<音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル Vol.2>
2019年11月7日(木) 11:30開場 12:00開演(13:00頃終演予定)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
11月7日東京芸術大学ランチタイムコンサート2019 in表参道〈音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタルVol.2〉は井森芽子さん、岩井亜咲さん、鴨川孟平さんのご登場でした。まず井森さんがスカルラッティ《ソナタ ハ長調K.159》《ソナタ ヘ短調 K.466》、ショパン《即興曲第3番 変ト長調Op.51》《舟歌 嬰ヘ長調Op.60》を演奏されました。軽快な主題で始まり終始朗らかなスカルラッティのハ長調ソナタ、ヘ短調のソナタをしっとりと歌い上げると、ショパンの即興曲では和声の変化を表情豊かに奏でられました。舟歌は左手のたゆたう波を想像させる伴奏が、曲を通して夢見心地な雰囲気を作り出していました。
岩井さんはショパン《ワルツ 第5番変イ長調Op.42》《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22》を演奏。ワルツの主旋律内部で細やかに動くモチーフが主旋律へ抜け出てくる様子は華やかで愛らしく、左手のワルツのリズムも相まって活き活きとしていました。続くアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22は、円滑な指の動きによって若きショパンの感性を鮮やかに紡ぎ出す、瑞々しい演奏が印象的でした。
最後に鴨川さんがラヴェル《夜のガスパール》を演奏されました。初めてラヴェルの曲に取り組むにあたって、数学的な美しさを感じたとお話された鴨川さん。〈オンディーヌ〉では細かく刻む右手連打と旋律が独立して存在しつつも、互いの呼吸に触発されて高揚していくところに惹きつけられました。〈絞首台〉は、不気味に鳴り続けるBの音が死の足音のようで、ラヴェルの徹底した表現方法に一貫した演奏で応えられました。音が空間に解き放たれるダイナミックな〈スカルボ〉では弱音での同音連打など多くの難所で、高い技術力を披露されました。
アンコールはモーツァルト作曲、田淵紗恵子編曲《トルコ行進曲》、6手3人、息ぴったりの演奏でした。井森さん、岩井さん、鴨川さんのこれからのますますのご活躍が楽しみです。
(W.T.)
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