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望月 晶 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.45 》
2019年
11月6日(水) 開場18:00 開演18:30
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.45》は、現在同大学音楽学部の2年生に在学中の、望月 晶(もちづき・あき)さんによるピアノ・リサイタルです。望月さんは数々のコンサートに出演、コンクールでの受賞を果たし、ソロはもちろん伴奏や室内楽でも活躍の場を広げています。当夜のプログラムは、ショパンを筆頭に、フランク、フォーレ、ドビュッシーと大変幅広く、聴き応え十分な内容となっていました。

 最初の曲は、ショパンの「前奏曲 第25番 嬰ハ短調 Op.45(遺作)」。深遠なこの名作を、瑞々しい感性でしっとりと歌い上げました。

 さらに、同じくショパンの「即興曲」を3曲。軽やかに舞い戯れるような「第1番 変イ長調 Op.29」、穏やかな中音域の旋律に心癒される「第2番 嬰ヘ長調 Op.36」、心のままに自由に移ろう「第3番 変ト長調 Op.51」と、美しく、華麗にまとめ上げられていました。

 そして雰囲気を変えて、フォーレの「プレリュード、コラールとフーガロ短調 M.21」。神聖で厳かな調べが、会場を静かに満たしていきました。人の苦しみ、悩み、哀しみ。神の慈しみ。フーガは複雑な変容を遂げ、高みへと登っていきます。よく弾き込まれた、素晴らしい演奏でした。

 休憩を挟んで後半、最初の曲は、フォーレの「バラード Op.19」。流麗なメロディーが重なり合い、とどまることを知らない華麗な展開をみせます。おとぎの国のような、ちょっと不思議な世界を感じました。よく回る指。見事なテクニックでした。

 そして、ここからあとは、最後までドビュッシーが続きます。「映像第2集」全3曲。I「葉ずえを渡る鐘の音」は、くぐもった静かな響きが、大気に溶け込むかのようでした。II「そして月は廃寺に落ちる」は、オリエンタルな幻想の世界。。「金色の魚」は、金色に輝く魚が、背びれや尾びれを素速くひるがえして優雅に泳ぐさまを想像させました。いずれも、意味深な曲ですね。

 ラストを締めるのは、傑作「喜びの島」です。希望を胸に乗せて、大海原へと漕ぎ出した、恋人たちの船出。超絶的な技巧と最高の音響的効果が結実して、眩いばかりに輝くクライマックスへ。渾身の演奏に、会場からは大きな拍手が贈られました。

 アンコールは、スクリャービンの「12のエチュード Op.8」より、2曲が演奏されました。ちょっとセンチメンタルに「第4番 ロ長調」、怒涛の音楽「第12番 嬰ニ短調『悲愴』」。最後まで難曲が続きました。

 幅広いプログラムで、様々な可能性をみせてくださった望月 晶さん。今後が楽しみです。

(H.A.)

 

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