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アレクセイ・メルニコフ プレミアム・ランチタイムコンサート
<第16回チャイコフスキー国際コンクール第3位入賞>
2019年10月31日(木) 11:30開場 12:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 2019年の第16回チャイコフスキー国際音楽コンクールで第3位に入賞したピアニスト、アレクセイ・メルニコフによるプレミアム ランチタイムコンサートが行われました。

 メルニコフは1990年、モスクワ生まれ。2008年にチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に入学し、セルゲイ・ドレンスキー教授のクラスに在籍して薫陶を受けています。また教授のアシスタントであるルガンスキー、ネルセシヤン、ピサレフの諸氏にも師事して、2015年に同音楽院を卒業しました。これまでに多くの国際ピアノ・コンクールで優勝・上位入賞を果たし、世界各地の著名ホールで数多くの公演を行っています。日本でも、2015年の第9回浜松国際ピアノコンクールで第3位に入賞して以来、東京文化会館、カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」をはじめ、日本各地で度々リサイタルを開いているので、お馴染みの方も多いでしょう。

 この日はまずシューベルトの「4つの即興曲集 D899 Op.90」より《第1曲 ハ短調》と《第2曲 変ホ長調》を演奏。第1曲では力強さがありながら、優しい音も奏でる繊細な演奏で、シューベルトの心情が伝わってくるようです。第2曲では明るい音色で軽やかに演奏しながら、秘められたシューベルトのパッションが感じられました。

 続いてはショパンの「3つのマズルカ Op.63」です。この曲はショパンが亡くなる3年前に作曲されたもので、《2 f-moll》(第40番)と《3 cis-moll》(第41番)はそのためか非常に寂し気で、メルニコフの演奏も非常に美しい音色であるが故に、余計に寂しさが感じられます。《1 H-Dur》(第39番)はそれよりも明るい感じの民族的な演奏でした。

 次もショパンで、「バラード 第4番 ヘ短調 Op.52」です。メルニコフはこの名曲で、曲想に合わせて多彩な音色を使い分けます。間の取り方も良く、歌い方も素晴らしく、心に沁み入ってきます。きらびやかさもある情感豊かな音楽を奏でました。

 最後はスクリャービンの「ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19『幻想ソナタ』」です。ショパンの影響がまだ残る2楽章構成のこの曲を、夜の海の凪の静けさと嵐の凄まじさとの対比も見事で、力強くも幻想的な表情で聴かせました。

 万雷の拍手に応えてのアンコールは、ラフマニノフの「プレリュード Op.23-7」とプロコフィエフの「エチュード Op.2-1」の2曲です。素晴らしいテクニックを披露して、満員の聴衆から惜しみない拍手を贈られました。

 力強さ、優しさ、情感、激しさ等々を持ち合わせ、内に燃える情熱も感じられる素晴らしいピアニストでした。

(K.Y.)

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