荒井玲奈＆藤浦有花＆竹澤勇人ランチタイムコンサート開催レポート

荒井玲奈＆藤浦有花＆竹澤勇人ランチタイムコンサート
開催レポート
桐朋学園ランチタイムコンサート2019-2020 in 表参道
＜音楽部門在籍生によるピアノジョイントリサイタル Vol.3 ＞　
2019年10月16日(水) 12:00～13:00（11:30開場）
会場：カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」

　10月16日の桐朋学園ランチタイムコンサート2019 - 2020 in 表参道～音楽部門在籍生によるピアノジョイントリサイタル vol.3～は、荒井玲奈さん、藤浦有花さんと竹澤勇人さんによるジョイントリサイタルとなりました。

　まずは荒井さんのベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番ホ長調。冒頭のテーマをたっぷりと、和声を大事に響かせます。自在に流れに乗せた１楽章、そして力強い２楽章、表情豊かにそして細やかに歌う３楽章の変奏曲。ベートーヴェン晩年の傑作を、低音から高音まで慈しむように紡ぎました。

　次は藤浦有花さんのショパンのバラード第２番へ長調Op.38とバラード第４番へ短調Op.52。第２番は、たゆたうような素朴な主題と激情的な主題の対比が見事。その熱を静かに湛えたまま第４番へ。淡々と始まる序奏、次第に激しく動く中間部、その後の変容部も叙情豊かに演奏しました。

　最後は竹澤勇人さんのブラームスの６つのピアノ小品Op.118。たっぷりとした音がまさにこの作品に添うていて、かっちりした音、とろけるような弱音、どちらも生かしての演奏でした。緩急強弱のバランスがよく、各小品の繋がり、余韻の残し方が絶妙。客席の緊張感を静かに解くようにしてコンサートを締めくくりました。

(Y.A)