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重森 光太郎 ピアノリサイタル 開催レポート
《 桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ Vol.44 》
2019年
9月19日(木) 開場18:00 開演18:30
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 「桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズ」は第44回目を迎え、今回は重森さんによって多彩な楽曲が鮮やかに披露されました。

 前半は、軽快な音色のモーツァルト《ピアノ・ソナタ 第3番 変ロ長調 K. 281》で始まりました。鍵盤に指が触れる瞬間まで意識した演奏者の丁寧なアプローチを感じ取ることができました。ショパン《ノクターン 第8番 変ニ長調 作品27-2》では、左手の一定した動きに対して右手の高音が切なさを纏いながら輝きを放ち、作曲家の錯綜した感情の深奥を見事に表現しました。続いて演奏された《バラード 第4番 へ短調 作品52》では、激情的な場面をあらん限りのエネルギーで歌い尽くす重森さんの姿に強い感銘を受けました。《ポロネーズ 第7番 変イ長調 作品61「幻想ポロネーズ」》では生命力を持った音が躍動し、静謐な音色の弱音と熱を帯びる音の対照が魅力的に浮かび上がりました。

 後半は、まずブラームス《創作主題による変奏曲 ニ長調 作品21 第1集》が演奏されました。この作品への重森さんが考える確固としたイメージが描出され、最後には祈りに似た悠然とした気持ちになりました。続いて、ラヴェル《鏡》では、流麗な音色の移り変わりで浮遊感を表現し、さらに異国の独特なリズム感覚を明確に打ち出した鉄壁のテクニックで、フランス音楽特有のエスプリに満ちた音楽を聴かせました。また、今回の演奏会で配布されたプログラムには重森さん自身の言葉による深い解釈が記述されており、それぞれの作品に真摯に対峙した演奏者に敬意を感じました。

 アンコールにはパデレフスキ《ミセラネア Op.16より第2曲「メロディ」》、《ユモレスケ Op.14より第6曲「クラコヴィエヌ ファンタジー」》が演奏され、美しく演奏会の幕は閉じられました。

(M.S)

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