トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2019年 > 東京藝術大学 ランチタイムコンサート2019 in 表参道

 > 水野 貴文 & 和田 華音 ランチタイムコンサート > 開催レポート

水野 貴文 & 和田 華音 ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2019 in 表参道
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノジョイントリサイタル Vol.6>
2019年
9月5日(木) 12:00〜13:30(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 

 本日は東京藝術大学の大学院生によるジョイント・コンサートシリーズの一環として、若手ピアニストの水野貴文さんと和田華音さんが演奏されました。お2人自身による楽曲の解説も付き、本日のプログラムがお2人にとって非常に思い入れのあるものだということも伝わってきました。

 先に演奏された水野貴文さんは、古典の代表であるバッハに始まり、19世紀ロマン主義の代表であるショパンを経て、最後は20世紀ならではの新進気鋭な感覚を持つ一方で古典に倣った楽曲も残したプロコフィエフという、非常に色とりどりのプログラムでした。非常に明瞭な音色とそこから引き出される堅固な音楽が特徴的な水野さん。始めに演奏したバッハのトッカータで、神聖な音楽の色合いを出し、観客をご自分の世界に惹きつけていらっしゃいました。対してショパンの夜想曲ではやや開放的な柔らかな音を聴かせてくださいました。最後に演奏されましたプロコフィエフのピアノ・ソナタ第2番は「ソナタ」という古典的で伝統的な西洋音楽の枠組みの中で、プロコフィエフらしい独特のセンスの音型や和音が絡み合う作品。非常に手の込んだ作品でありますが、水野さんは1つずつのパッセージを明快に弾き分け、この作品の構造美を大いに表現されていました。

 後に演奏された和田華音さんは、「前奏曲」というテーマでプログラムに統一性を持たせ、このジャンルの代表的な作曲家であるショパンとラフマニノフの各々の前奏曲集から、今回の演目を選曲されていました。和田さんご自身も解説されていた通り、同じ「前奏曲」と言えど、あたかも続きがあるかのような美しい音楽の断片を提示したショパンの前奏曲と、各曲で確固たる世界観を持ったラフマニノフの前奏曲では、音楽的な性質がかなり異なります。和田さんは卓越した技術で、ショパンの前奏曲はあっという間にとおり過ぎつつも印象に残る音楽的な時間を創造し、ラフマニノフの前奏曲では各曲の性格をとても豊かに表現されていました。特に最後に演奏されたト短調の前奏曲は、ピアノ愛好者にとても人気のある作品ですが、和田さんの情熱的でありながら確かな技術を感じさせる演奏に、客席からは大きな拍手がありました。  プログラムの最後はお2人によるご挨拶と、ピアソラ作曲《リベルタンゴ》の連弾によるアンコールでした。客席からもお2人の今後の活躍を応援する空気の伝わった、とても素敵なコンサートでした。

(A.T.)

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2019年 > 東京藝術大学 ランチタイムコンサート2019 in 表参道

 > 水野 貴文 & 和田 華音 ランチタイムコンサート > 開催レポート