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クロイツァー記念会 第43回例会
クロイツァー賞受賞者による演奏会 開催レポート
出演:、開原 由紀乃 岸本 哲弥 岩武 歩(以上、ピアノ)
2019年7月11日(木) 開演:午後7時00分
会場:
東京文化会館小ホール
※開演前、午後6時10分〜午後6時30分 小ホールにて、
SPレコード鑑賞会『蓄音機で聴くレオニード・クロイツァー』を特別開催。

 

 

 

 ピアニスト、音楽学者、名指導者として、日本におけるピアノ界の発展に尽力したレオニード・クロイツァー教授。門下生をはじめとする関係者により組織されたクロイツァー記念会が、その功績を称えて制定した『クロイツァー賞』の受賞者演奏会が行われました。本賞は氏と縁深い東京藝術大学、国立音楽大学、武蔵野音楽大学の各大学院におけるピアノ専攻の首席に毎年贈られているもので、第49回は開原由紀乃さん、岸本哲弥さん、岩武歩さんが受賞しました。

 まずは、開原さん(藝大)の演奏から。プログラムはすべてショパンで〈マズルカ第10番、第13番〉〈ノクターン第13番〉〈アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ〉。「ショパンは私の音楽人生に光と彩りを与え続けてくれる作曲家」と言い、音の一瞬一瞬に現れる輝き、閃きに満ちた演奏でした。

 岸本さん(国立)は、リスト〈ソナタロ短調〉を披露。「細部から全体のドラマ性を汲んだ演奏を目指した」というその演奏は、多様な感情の変遷をたどるかのようです。激情の底に描かれた閑寂が、深く心を捉えます。

 最後の奏者、岩武さん(武蔵野)は「親友の死を受け、短期間でこの作品を完成させた作曲家の熱い想いに興味を持った」という、ムソルグスキー《展覧会の絵》を演奏。表現の切実さに重きを置いた演奏は、ひたすら作品の核心に斬り込んだものでした。

 また、演奏会前にはSPレコード鑑賞会『蓄音機で聴くレオニード・クロイツァー』も開催されました。3度目となったこのミニイベントは、例年ロビーで行われていましたが、今回はホールのステージ上に蓄音機をセットして実施。記念会の植田克己会長が進行を務め、ショパンの〈バラード第1番〉、リストは〈愛の夢〉と《ハンガリー狂詩曲第15番「ラコッツィ行進曲」》の3曲で、多大な影響を与えたクロイツァー教授の音を楽しみました。

(R.K.)

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