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木戸 海友 & 京増 修史 ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2019 in 表参道
<大学院音楽研究科修士課程1年生によるピアノジョイントリサイタル Vol.3>
2019年
6月27日(木) 12:00〜13:30(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 6月27日の東京芸術大学修士1年生によるランチタイムコンサート2019 in 表参道は木戸海友さんと京増修史さんのご登場です。

 まず演奏されたのは木戸さん。ブラームス《3つの間奏曲Op.117》を演奏されました。冒頭に、ブラームスの最晩年に作曲され苦悩の子守歌のような作品だ、とご説明されたように、心の内が描かれているようで、木戸さんの表現力が光りました。深い音色でしなやかなタッチが、静けさの中にほんのりと明かりを灯すような温かさを与え、翳りと温かみを持つ曲全体を包み込みました。次のベートーヴェン《ピアノソナタ第30番ホ長調Op.109》は対位法と変奏が特徴的な晩年の作品です。簡潔な要素が集合するように始まり、対位法が用いられており、その一つ一つの要素を丁寧に演奏され曲を構成されていく様子が印象的でした。アンコールはアルペジオの練習曲であるショパン《エチュードop.10-11》を披露され、柔軟な手首の動き、その技術から生み出される優雅な音楽に心地よさを感じました。

 後半の京増修史さんは、まずベートーヴェン《ピアノソナタ第21番ハ長調Op.54》を演奏されました。この曲は初期のパトロンであった伯爵に献呈され「ワルトシュタイン」と呼ばれています。第一楽章は和音の連打から旋律がこだまするようにやり取りがなされる第一主題で始まり、京増さんの端正で、引き締まった音で曲の世界に引き込まれます。華があり芯のある音で快活に第一楽章を演奏すると、第二楽章では幻想的で奥行きのある演奏を、第三楽章ではクライマックスに向けて緊張を高め、エネルギッシュに曲を弾ききりました。続くショパン《スケルツォ第4番ホ長調Op.54》では、細かく俊敏に動き回る輝かしい音の粒に導かれ、中間部の旋律の情感たっぷり込められた演奏が心に沁みました。最後にショパン《エチュードOp.25-11「木枯らし」》をアンコールで演奏され、終始演奏への高い集中力と技術を披露されました。

 お二人がそれぞれの持ち味を活かした音の世界を創り出され、会場からは若きお二人のピアニストに、惜しみない拍手が送られました。

(W.T.)

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