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佐々木 崇シューマンリサイタル(全12回)開催レポート
〜Vol.3 遠くからの声〜
出演:佐々木 崇(ピアノ)、長岡 聡季(ヴァイオリン)、森山 涼介(チェロ)
2019年
6月6日(木) 19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 6月初旬、佐々木崇さんによる「シューマン・リサイタル――Vol.3 遠くからの声」(全12回)が行われました。その幻想性が大きな特徴であるローベルト・シューマンですが、彼の音楽もまたバッハやベートーヴェンら先人たちの音楽の仕組みをよく勉強したうえで書かれています。この演奏会シリーズで色々なシューマン作品に取り組むなかで、そのことをより強く感じるようになったという佐々木さん。今回は、前半に初期のピアノ曲、後半に後期の室内楽作品という充実したプログラムを披露してくださいました。

 前半1曲目は《アレグロ》op. 8。冒頭のドラマティックな下行音型に始まり、様々に表情を変えながら展開されていく音楽に、瞬く間に引き込まれました。特に、高音域での瑞々しい音色で歌われる旋律や、絶妙なバランスで奏でられる和音の混ざり合いが印象的でした。続いて演奏された《ノヴェレッテン》op. 21より第7番と第8番は、「短編小説集」という作品タイトルにふさわしく、物語を聞いているかのようなワクワク感を与えてくれるものでした。《3つのロマンス》op. 28では、第2曲のどこか懐かしさや切なさを感じさせる叙情的な旋律が特に美しかったです。

 後半は、ヴァイオリンの長岡聡季さんとチェロの森山涼介さんを迎えて、《ピアノ三重奏曲 第1番》op. 63が演奏されました。それぞれの楽器が複雑に絡み合いながらも、ひとつの方向を目指して進んでいく、その音楽の推進力はまさに圧巻でした。少しずつ変化する色彩も、深みのあるところから軽快なところまで、豊かな響きで見事に表現されていました。お三方の息の合った演奏は、ロマン派室内楽の魅力を存分に感じさせてくれるもので、いつまでも聴いていたいものでした。本シリーズの第4回は12月13日に開催予定とのことです。次回は、ピアノにヴァイオリンとヴィオラを加えたプログラムということですので、こちらも楽しみにしたいと思います。

(Y. T.)

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