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第9回浜松国際ピアノコンクールの覇者アレクサンデル・ガジェヴが3年ぶりにパウゼに登場!
アレクサンデル・ガジェヴ ピアノリサイタル 開催レポート
《東京公演》

2019年5月15日(水)18:30開演(18:00開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 心地よい風が若葉を揺らす5月半ば、アレクサンデル・ガジェブさんのピアノ・リサイタルが開催されました。彼は2015年の第9回浜松国際ピアノコンクールにおいて優勝後、日本でもソリストとして様々なオーケストラと共演を重ねているイタリア出身のピアニストです。今回のリサイタルでは、バッハからスクリャービンまで、非常に多彩で充実したプログラムを披露してくださいました。

 前半1曲目は、J. S. バッハの『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』より《第9番ホ長調》BWV 878。冒頭より素朴な音色で静謐な音楽が紡がれており、次第に彼の音楽に誘われて世界の奥深くへと降りていくような、そんな感覚をもたらしてくれる演奏でした。続くベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ第21番ハ長調》op. 53「ワルトシュタイン」では、強い意志を感じさせる音楽の推進力が素晴らしく、特にクライマックスに向けて増していく爆発力は圧巻でした。さらに、チャイコフスキーの《主題と変奏》op. 19-6、ショパンのエチュードop. 25-5、ラフマニノフのエチュードop. 39-5、リストの《超絶技巧練習曲第4番 マゼッパ》が取り上げられ、そのダイナミックで情熱的な演奏に、何度もブラボーという声が上がっていました。

 後半ではまず、スクリャービンの作品がプレリュードやエチュードなどから7曲演奏されました。これらの作品では、曲ごとに変わる様々な音楽の表情が印象的で、とくに幻想的な雰囲気が美しかったです。そして、プログラムの最後を飾ったのはリストの『巡礼の年 第2年 イタリア』より《ダンテを読んで−ソナタ風幻想曲》。楽器を最大限に鳴らして次々と繰り出される超絶技巧は、会場全体を揺らすかのような大迫力で、演奏後には会場から熱い拍手が送られました。アンコールには、ハイドンの《ピアノ・ソナタ第60番》Hob. XVI: 50, op. 79と、ショパンのエチュードOp. 25-1が演奏され、和やかな雰囲気のなかでリサイタルは閉じられました。

(Y. T.)

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