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原嶋 唯 ピアノリサイタル 開催レポート
《2017年 日本音楽コンクール 入賞者シリーズ》
 共演 土岐祐奈 (ヴァイオリン) 笹沼 樹 (チェロ)
2019年2月26日(火) 開場18:30 開演19:00
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 2月末、原嶋唯さんのピアノ・リサイタルが開催されました。2017年の日本音楽コンクールでシューベルトの後期ソナタを演奏し、その虜になったという原嶋さん。今回のリサイタルでは、全編をシューベルト晩年の作品で構成する意欲的なプログラムを披露してくださいました。

 前半は、まず『即興曲集』D899 op. 90より《第2番 変ホ長調》と《第4番 変イ長調》が演奏されました。第2番では、曲の冒頭から繊細な音階のパッセージが澄んだ音色で奏でられ、瞬く間に作品の世界へと引き込まれていくようでした。和声の移ろいに合わせて、ときに愛らしく、ときに哀愁に満ちて、またあるときには天上の響きを思わせるかのように、刻々と変化していく表情の豊かさも印象的でした。第4番では、はらはらと舞う花びらのような分散和音のパッセージが繰り返されるなかで、朗々と歌い上げられる旋律が非常に美しかったです。続いて演奏された《ピアノ・ソナタ第20番 イ長調》D959では、作品に真摯に取り組む姿勢が音楽から透けて見えるような、緻密な演奏設計が為されていました。特に第4楽章では、息の長いフレーズが巧みに紡がれており、再現されるたびに異なる表情を見せるロンド主題にも惹きつけられました。

 後半は、共演に土岐祐奈さん(ヴァイオリン)と笹沼樹さん(チェロ)を迎えて《ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調》D 898 Op. 99が演奏されました。高校からの友人であるという御三方。それぞれの楽器が絶妙なバランスで融合し、織り成していく音楽は、端正でありながら情熱的でした。各旋律が美しく歌われるとともに、3つの楽器がひとつになり音楽を進めていく一体感も素晴らしかったです。若いエネルギーを随所に感じさせる瑞々しい演奏に、会場から熱い拍手が送られました。アンコールには、シューベルトの『白鳥の歌』より《セレナーデ》がトリオ版で演奏され、和やかな雰囲気のなか演奏会は閉じられました。

(Y. T.)

 

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