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反保 沙季 & 生井澤 日向子 ピアノジョイントリサイタル
開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.52 》
2019年2月22日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 

 今回のフレッシュコンサートでは、反保さんと生井澤さんのエネルギッシュな演奏が観客を圧倒しました。

 前半は反保さんの演奏です。シューマン=リスト《歌曲集『ミルテの花』より第1曲「献呈」》では、愛情が注がれた伸びやかな音で観客を魅了しました。続いて、シマノフスキ《4つの練習曲 Op.4》が演奏されました。第4番「Allegro(ma non troppo)」で演奏者が創造した幻想的な音空間は、その次に演奏されたドビュッシー《ベルガマスク組曲より 第3曲「月の光」》にも自然と繋がり、プログラムにストーリーが見出されました。最後の単音での上行はあまりの美しさに天上の未知の世界を思わず想像しました。さらに、イベール《フルート協奏曲より 第2楽章 Andante》では大山宙透さんのフルート演奏を弱さは保ちつつも芯を持ったピアノの音が支えていました。リスト《メフィスト・ワルツより 第1番「村の居酒屋での踊り」 S.514》では硬く引き締まった音を出す左手と、情熱的で踊るような右手の組み合わせが見事でした。

 後半は生井澤さんによるベートーヴェン《ピアノソナタ 第31番 変イ長調 Op.110》の演奏で始まりました。全ての音の響きに細心の注意を払う演奏者の姿からは、ベートーヴェンへの敬意と「後期三大ソナタ」を演奏することへの気迫が伝わってきました。シマノフスキ《メトープ ― 3つの詩 Op.29》では、ポーランドで活動されている生井澤さんならではの自信に満ちた作曲家の解釈を楽しむことができました。特に第2曲「カリュプソ」の波打つようなパッセージからは女神の悲痛な叫びが聞こえるようでした。最後には、野田暉行《ピアノのためのオード・カプリシャス》が演奏されました。21世紀の音楽にも挑戦し演奏家としての幅を広げていく生井澤さんの今後に希望を抱かずにはいられませんでした。

 アンコールには反保さんと生井澤さんの連弾によってドビュッシー《小組曲より「バレエ」》が演奏され、会場全体が楽しげな雰囲気で演奏会の幕は閉じられました。

(M.S)

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