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森田 みず希 ピアノリサイタル 開催レポート
《 東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.51 》
2019年1月25日(金) 18:30開場 19:00開演
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 今回の森田みず希さんの演奏会のプログラムは、演奏者が実際にウィーンの地に降り立った時のインスピレーションに基づいて選び抜かれた、ウィーンにゆかりのある作曲家の作品によって構成されました。

 まずは、モーツァルト《ピアノ・ソナタ 第2番 K.280(189e)ヘ長調》です。ザルツブルクで生まれウィーンで多くの傑作を創出したこの作曲家にふさわしい、清々しい音色と軽快なスピード感で、森田さんは聴衆を魅了しました。演奏者の工夫は随所に見られ、たとえば第2楽章の装飾のない場面では、起伏を強調することによって、より深みのある音楽を演出していました。続いてシューマン《ウィーンの謝肉祭の道化 作品26》が演奏されました。活気と興奮に満ちた森田さんの音色からは、フェスティバルの混沌とした賑やかな情景が浮かび上がってきました。第2曲「Romanze」と第4曲「Intermezzo」では対照的に、孤独感を音に含ませて表現の幅広さを提示しました。

 後半は、ブラームス《ピアノ・ソナタ 第3番 作品5》が演奏されました。脇目もふらず一心にピアノへと向かう演奏者の姿勢は、この作品の時代背景と考えられるヨーロッパ各地で起こった革命を慎み深く受け止めているようでした。第2楽章では、神秘的な音空間を現出させ、夢と現実の狭間を彷徨するような心地になりました。森田さんの音色に特徴的なきらびやかで重厚な音色が5楽章で構成される壮大なこの作品に強烈なダイナミズムを与え、終始エネルギーを絶やすことなく見事に弾ききり、会場に大きな感動を与えました。

 アンコールには、ドビュッシー《子供の領分》より「雪は踊っている」が演奏され、幻想的世界を映し出していました。

(M.S)

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