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岡安 千尋 & 小嶋 早恵 ランチタイムコンサート 開催レポート
東京藝術大学ランチタイムコンサート2019 in 表参道
<音楽学部1年生によるピアノジョイントリサイタル vol.5>
2019年1月24日(木) 12:00〜12:45(11:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 本日のランチタイムコンサートは、東京藝術大学の1年生岡安千尋さんと小嶋早恵さんによるジョイントリサイタルでした。近年、音楽の才能にあふれる方々の早期教育にも力を入れている同大学では、このように若くから活躍の場を持つアーティストが数多く輩出されています。

 前半に演奏されたのは岡安千尋さん。高い技術による安定感の中にも、情熱を感じさせる演奏をされる岡安さんがプログラムに選んだのは、いずれもロマン主義時代に独特の音の厚みと宗教曲のような神秘性を併せ持った、メンデルスゾーン《6つの前奏曲とフーガ》第1番とリスト《詩的で宗教的な調べ》第7番でした。バッハに倣って書いたと言われる一方でメンデルスゾーンらしい歌心に満ちた《6つの前奏曲とフーガ》では、前奏曲部分の音のうねりを情熱的かつ優雅に表現し、フーガ部分では一音ずつを丹念に紡ぎ出していらっしゃいました。そしてリストの《詩的で宗教的な調べ》では、壮大なリストの音楽を非常な迫力で演奏しつつも、曲中に現れる鐘の音を模したような音型などを際立たせ、「宗教的」な側面をよく引き出していらっしゃいました。

 後半に演奏された小嶋早恵さんは、柔らかく滑らかな音運びや優雅な雰囲気が印象的で、今回はスクリャービンの《2つの詩曲》、ショパンの《即興曲》第2番および《バラード》第4番を演奏されました。スクリャービン《2つの詩曲》では、作曲家の持つ独特の和声感を粋な音色で表現されていました。ショパン《即興曲》は特に小嶋さんの持つ音の滑らかさが活きた演奏で、曲中に現れる華やかなパッセージの美しさは見事なものでした。そして最後に演奏された《バラード》第4番は、ショパンの楽曲の中でも特に、技術的にも内容的にも大作ですが、小嶋さんはショパンの散りばめた美しい旋律1つずつを柔和に聴かせるとともに、後半のクライマックスに向かって力強く音楽を盛り上げていました。

 コンサートの最後にはお2人の可愛らしいトークと《スラヴ舞曲》の連弾によるアンコールが付き、会場は大きな拍手に包まれました。若いお2人のピアニストのご活躍が楽しみなコンサートでした。

(A.T.)

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