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藤田めぐみの ショパン24のエチュード全曲演奏会と
「誰でもショパンエチュード」マスタークラス 開催レポート
2018年12月22日(土) 11時開演(10時30分開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

  平成最後の暮れも押し詰まった12月22日土曜日は、ショパンのピアノ・エチュード・デー。当パウゼでは フジタ・マスタークラスでお馴染みのピアニスト、藤田めぐみさんによる、全曲演奏会とマスタークラスが行われました。

  高難度のテクニックと、最高の芸術性の両方を併せ持つ、全24曲のエチュード。たった1曲 でも充分ハードルが高いのですが、この日は午前11時より、まず一気に全曲演奏会。そして、休憩を挟んで午後1時半からは、「誰でもショパンエチュード」と題し てのマスタークラスが行われました。この「誰でも」のフレーズが気になります。憧れに一歩でも近づけるかもしれないと、期待が膨らみます ね。

  さて、このレポートでは、全曲演奏会の各曲の印象を、ダイジェストでお伝えしたいと思います。ショパンのエチュードには作品10と作品25があり、それぞれ12曲 ずつ入っています。全曲演奏は、作品10だけ、作品25だ けというのはあっても、両方というのはなかなかないですよね。テクニックはもちろん、タフな集中力と体力、柔軟性など、さまざまな要素が 必要になってくると思います。

■ 作品10

第 1番……雄大なアルペッジョ。柔らかさ、穏やかさが感じられ個性的。

第 2番……半音階。密やかな面白いイメージ。

第 3番……有名な「別れの曲」。多声部をいかに出すか。私的な日記のよう。

第 4番……右手左手それぞれの指の独立。機敏でシャープ、しかも繊細。

第 5番……「黒鍵のエチュード」。抑えめながら、キラキラ輝く音が印象的。

第 6番……情感を込めた悲痛な旋律。エチュードであることを忘れる。

第 7番……3度と6度の和音が細かく交互に現れる。幸福感あふれる難曲。

第 8番……右手のトリルとアルペッジョ、左手の軽やかなリズム。優美で快活。

第 9番……左手伴奏部のポジションの広さ。右手旋律の哀しみ、慟哭。

第10番……連続した分散和音からメロディーを紡ぎ出す。目映い美しさ。

第11番……女神がハープをかき鳴らしているかのよう。繊細で柔らか。

第12番……「革命のエチュード」。激情と緊迫感。最高のクライマックス。

■ 作品25

第 1番……「エオリアン・ハープ」。天上の音楽。

第 2番……音と心の移ろい。神経を研ぎ澄ませた指先で、細やかに表現。

第 3番……前打音の練習。くつろげる大らかさ。

第 4番……スタッカートをセンス良く。さり気なさが魅力。

第 5番……エキゾチックな舞曲調。感動の中間部は、心を揺さぶる。

第 6番……3度の難しい連続。吹き抜ける風のよう。

第 7番……劇的な左手のメロディーの展開。哀しみと慈しみ、気高さ。

第 8番……6度の難しい連続。美しく香り豊かなハーモニー。

第 9番……「蝶々」とも呼ばれる。軽やかさ、心地良さ。

第10番……両手オクターヴの連続。荒れ狂う嵐のよう。

第11番……「木枯らしのエチュード」。力強く華麗、波乱に富んだ展開。

第12番……「大洋」とも呼ばれる。大海原を連想する壮大なスケール。

  どの曲も素晴らしく、聴きごたえ満点でした。初めから終わりまで、集中力を持続させながらバランス良く演奏するポイントは、“力の配分” であるようにも感じました。「誰でもショパンエチュード」。この機会に、挑戦してみたいと思います。

(H.A.)

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