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伊藤 花奈美&栗田 桃子ピアノ・ジョイントリサイタル開催レポート
《 くにたちサロンコンサートin表参道シリーズ Vol.26 》
2018年12月6日(木)19:00開演 18:30開場
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

  

 国立音楽大学にゆかりのあるピアニストが出演するコンサートシリーズに、伊藤花奈美さん、栗田桃子さんが出演されました。演奏会で取り上げられる機会の少ない作曲家も並ぶ、意欲的な内容のジョイントリサイタルです。

 まずは、現在デトモルト音楽大学に学ぶ伊藤さんの演奏から。シェーンベルク最初のピアノ作品《3つのピアノ小品Op.11》は、表題こそ付いていないものの、3つの曲に込められた複雑な感情を表現していきます。内面に秘められた強いエネルギーが感じられた1曲でした。「在学中はドビュッシーばかりを弾いていた」という伊藤さんは、ブラームスのクラリネットソナタを伴奏したことをきっかけに、ドイツ物に開眼。この日取り上げたブラームスの《6つのピアノ小品Op.118》は、異なる性格を持つ6曲の内面を深く見つめた演奏でした。

 後半は伊藤さんの後輩にあたる、栗田さんの演奏です。ドビュッシー《前奏曲集第2集》より〈オンディーヌ〉。冒頭の音の群れはやわらかく可憐に、後半の激しい展開はオペラティックに弾いていきます。続くシマノフスキの《メトープ》は、元々古代ギリシャに興味があったことから選曲したそうです。3曲それぞれの物語が想像でき、ファンタジーが感じられる演奏でした。最後は伊藤さんもステージに戻り、連弾を披露。プーランク〈シテール島への船出〉は、軽やかな演奏で夢がふくらむような明るい演奏でした。

 「一概には言えませんが、文化や芸術は100年を超えても残っているものは本物だと思います。素晴らしい作品が受け継がれていくように、今後も弾き続けたい」という栗田さんの結びの言葉から、真摯に音楽と向き合う姿勢が感じられました。

 アンコールはふたたび連弾で、ドヴォルザーク〈スラブ舞曲Op.72-2〉でした。

(R.K.)

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