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上坂 愛美 ピアノリサイタル 開催レポート
《表参道ランチタイムコンサート 2018》〜武蔵野音楽大学〜
2018年12月5日(水) 開場11:30 開演12:00
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
《表参道ランチタイムコンサート2018》〜武蔵野音楽大学Vol.2~は、 上坂愛美(こうさか・めぐみ)ピアノ・リサイタルです。上坂さんは、武蔵野音楽大学ヴィルトゥオーゾ学科卒業、同大学院修士課程ヴィルトゥオーゾコースを修了しました。修了時にクロイツァー賞 を受賞。在学中には、福井直秋記念奨学金を授与されています。
この日のプログラムは、古典、ロマン、近現代という3つの時代の作曲家の作品を1曲ずつ取り上げました。
まず1曲目は、ハイドンの「アンダンテと変奏曲 ヘ 短調 Op.83 Hob.??-6」です。ハイドンが、モーツァルトとウィーンの貴族マリアンネ・ フォン・ゲンツィンガー夫人という親しかった早世した2人を悼んで作曲したと言われている曲です。この2人を失った哀しみをヘ短調の主題 で、楽しさをヘ長調の主題で表したと思える二重変奏曲です。上坂さんは落ち着いた弾き出しで2つの主題を弾き分け、クリアな音色で古典派 の魅力をきちんと弾き切りました。
2曲目はショパンの「バラード 第 3番 変 イ長調 Op.47」です。ややゆったりとしたテンポで弾き始めましたが、上坂さんはご自分のテンポ感をしっかりと持っているよ うに感じられました。音楽の流れを途切れさせない間の取り方がとても素晴らしく、聴いていて心地良い演奏でした。
3曲目は近現代の作品で、プーランクの「ナゼルの夜会」です。プーランクにとって血縁関係はありませんが、家族ぐるみの付き合いがあり非 常に親密な関係であった叔母リエナールのナゼルのサロンでの演奏会の思い出をまとめたもので、前奏曲と8つの変奏曲、カデンツァ、フィ ナーレから成っています。上坂さんは決然とした弾き出しで、明と暗の対照のメリハリがはっきりしていて面白い演奏でした。特に明の部分は 鮮やかで、暗はしっとりした感じがありました。最後はまた決然とした演奏で終わりました。
聴衆の温かい拍手に応えてのアンコールは、「ナゼルの夜会」から、第3変奏の『磊落と慎重と』を演奏して幕を閉じました。
これからが楽しみなピアニストがまた登場しました。
(K.Y.)
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